ビジネスわかったランド (税務)

源泉所得税

給与に係る源泉徴収

(1)給与に係る源泉徴収税額の計算の仕方

給与を支払う際は、支払いのつど源泉徴収が必要である。源泉徴収は、「給与所得の源泉徴収税額表(月額表または日額表)」に基づいて行う。
この税額表は、その月(または日)の社会保険料控除後の給与等の金額により、源泉徴収すべき所得税および復興特別所得税の合計額が一覧になっている表である。
  1. 月額表

    月や旬を単位にして給与を支払う場合に使用する。
    月額表には、「甲欄」と「乙欄」がある。 a)甲欄
    「給与所得者の扶養控除等申告書」が提出されている場合は、甲欄により、扶養親族等の人数に応じて源泉徴収する金額を求める。
    b)乙欄
    「給与所得者の扶養控除等申告書」が提出されていない場合は、乙欄により源泉徴収する金額を求める。
  2. 日額表

    日ごと・一週間ごとに給与を支払う場合や、給与を日割り計算して支払う場合に使用する。
    日額表には「甲欄」「乙欄」「丙欄」がある。 a)甲欄
    「給与所得者の扶養控除等申告書」が提出されている場合は、甲欄により、扶養親族等の人数に応じて源泉徴収する金額を求める。
    b)乙欄
    「給与所得者の扶養控除等申告書」が提出されていない場合は、乙欄により源泉徴収する金額を求める。
    c)丙欄
    労働した日または時間によって算定される給与で、下記のいずれかに該当するものは、丙欄により源泉徴収する金額を求める。

    ・あらかじめ定められている雇用期間が2か月以内であること
    ・日々雇い入れている場合には、継続して2か月を超えて支払いをしないこと

(2)給与所得に該当するもの

  1. 現金支給される給与
    ・月額給与
    ・各種手当(残業手当、休日出勤手当、家族手当、住宅手当 等)
  2. 現物支給される給与
    法人が、自社の役員または従業員に対して下記の経済的利益を供与した場合には、その経済的利益の価額は、原則としてその者に対する給与に該当することとされている。

    ・物品その他の資産を無償または低い価額により譲渡したことによる経済的利益
    ・土地、家屋、金銭その他の資産を無償または低い対価により貸し付けたことによる経済的利益
    ・福利厚生施設等を無償または低い対価により提供したことによる経済的利益
    ・個人的債務を免除または負担したことによる経済的利益

    ただし、上記に該当する経済的利益の供与であっても、職務の性質上欠くことのできないもので主として法人側の業務遂行上の必要から支給されるもの等については、課税しなくても差し支えないこととされている。

(3)給与所得に該当しないもの

・通勤手当のうち、一定金額以下のもの
・転勤や出張などのための旅費のうち、通常必要と認められるもの
・宿直や日直の手当のうち、一定金額以下のもの

著者: あいわ税理士法人
http://www.aiwa-tax.or.jp/

※2022年6月1日現在の法令、ガイドライン等に基づいています