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寄附金・交際費

寄附金の意義
法人が支出する寄附金は、法人が行う事業との関連性が薄いことから、一定の限度額を超える金額は損金の額に算入されないこととされている。
法人税法上の寄附金は、一般に行われる金銭による寄附に限定されておらず、より広い範囲のものが含まれることに留意する必要がある。

(1)寄附金の範囲

法人税法において寄附とは、法人が行う以下の行為をいう。
  1. 金銭の贈与
  2. 金銭以外の資産の贈与
  3. 経済的利益の無償の供与
このように法人税法における寄附金には、資産の贈与、経済的利益の無償の供与も含まれる。

(2)寄附金の額とは

寄附金の額とは、以下の金額をいう。
  1. 金銭の贈与をした場合の金銭の額
  2. 金銭以外の資産の贈与をした場合における、その資産の贈与時の価額
    資産を有償により譲渡した場合であっても、その対価の額が、その譲渡時におけるその資産の時価よりも低い場合には、時価と対価との差額は寄附金の額に含まれる
  3. 経済的利益の無償の供与をした場合における、その経済的利益の供与時の価額
    経済的利益の供与を有償により行った場合であっても、その対価の額が、その経済的利益を供与した時におけるその経済的利益の時価よりも低い場合には、時価と対価との差額は寄附金の額に含まれる

(3)未払寄附金と仮払寄附金

事業年度の末日において未払いである寄附金については、その事業年度の寄附金の額には含まれない。同様に、手形による寄附金でその事業年度の末日においていまだ決済されていないものも、その事業年度の寄附金の額には含まれない。
一方、仮払金として経理している寄附金であっても現に支出しているものは、支出した事業年度の寄附金の額に含まれる。
つまり、その事業年度の寄附金の額には、現実に支出したものだけが含まれることになるのであり、その支出された寄附金の額により「2.寄附金の損金算入限度額」の計算を行うことに留意が必要である。

(4)寄附金と隣接費用

寄附金に該当するか否かの判定上、留意すべき点は以下のとおりである。
  1. 寄附金の判定上は、寄附金として支出するか、拠出金・見舞金等の名義で支出するかは一切問わないこととされている。
  2. 広告宣伝費、見本品費、交際費、福利厚生費とされるべきものは寄附金の範囲からは除かれる。
  3. 法人が、役員または使用人が負担すべき費用を負担した場合には、その個人に対する給与とされる。

著者: あいわ税理士法人
http://www.aiwa-tax.or.jp/

※2022年6月1日現在の法令、ガイドライン等に基づいています