ビジネスわかったランド (経営・社長)

経営計画の立て方・進め方

商品ごとの販売数は?
複数の商品を扱う場合には、単価の異なる商品ごとに、販売数を予測します。商品の種類が1つしかない場合でも、付随的なサービスを付けたり、顧客によって異なる値付けをしたりする場合がありますが、そのときも、より正確な粗利を計算するために、商品単価ごとに販売数を予測することがポイントです。
ソイ・マヨの場合、200g、350g、1kgに分けて予測しました。
また、より緻密な販売計画を立てるためには、販売チャネルや得意先ごとにカテゴリーを分けて、数量を予測します。なぜなら、同じ商品でも販売先によって、単価や販売条件が異なるからです。
販売数の予測を立てるうえで最も大切なことは、それが実現可能か? ということです。もちろん予測通りに売れる保証はありませんが、事業パートナーや金融機関を納得させるためには、計算根拠が必要です。そこで販売戦略に則って、販売チャネルごとに販売数を予測します。
ソイ・マヨでは、各店舗ごとに条件が異なるため、店舗ごとに分けて予測することにしました。
こうして、どの商品がどこで、いつ、何個売れるのかをまとめたものが販売計画です。販売計画は、事業計画書には必ずしも必要ありませんが、売上計画は販売計画に販売単価を掛けて計算するので、売上計画を立てる前に作成する必要があります。
販売計画を立てるときに大事なことは、1年目は月ごとに計算し、2年目以降は年単位で予測することです。
新規事業が軌道に乗るまでは、通常少なくとも1年はかかります。最初は知名度もありませんし、従業員も慣れない作業を行なうわけですから、予定通りにいかないのが普通だ、くらいに思ってください。しかし、売上があがらなくても、事業をスタートさせた以上、人件費や仕入などの経費は最初の月から発生します。
そこで、地に足のついた利益計画や資金計画を立てるために、最初の1年目は月ごとに予測数値を見積もっていきます。販売先等に今後の見込みなどを確認しながら、できる限り細かく計算しましょう。
しかし、どんなに細かく計算しても、予測はあくまで予測です。2年目以降も月単位で計算すると、逆に数字の信ぴょう性を欠いてしまいますし、あまりに細かい作業を行なうことは、時間の無駄でもあります。
2年目以降の予測は、1年目の数値をもとに、1.2倍とか1.5倍のようなラフな目標値を用いて予測すれば十分です。ただし、使用する目標値については、営業担当者が増員された、拠点が増えた、知名度があがったなどの根拠を明確にしておきましょう。
こうして5年目までの販売計画を立てておきます。
より正確な売上の予測は、より正確な利益を予測するためのステップです。この数字は利益計画を立てるときにも使えますし、細かい販売計画があれば、目標が達成できなかった場合、どこにその原因があるのかがすぐにわかります。
なお、余力があれば、売り場ごと、時間帯ごと、営業担当者ごとなどに、できるだけ細かく分け、業種や事業形態に応じて、計算したものもつくっておきましょう。事業計画書にはここまでは必要ありませんが、その後、計画を見直すときに役立ちます。
また、入金のサイト(納品してから入金されるまでの期間)に分けて、販売先をグルーピングしておくと、「資金計画」をスムーズにつくることができます。

Q. 商品ごとの販売数は?(販売計画)

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※前項の表中で予測した店舗ごとの進捗割合(確率)を掛けて記入。2年目以降は、現場の営業担当者の意見を聞きながら、1.2~1.5倍程度のアップ率で計算しました。