ビジネスわかったランド (経営・社長)

経営計画の立て方・進め方

競合他社を3社あげてみる
市場で戦うためには、まず敵を知ることが必要です。そこで、自社に与える影響が最も大きいと思われる競合他社を、最低3社は見つけましょう。
マーケットにはたくさんの競合他社が存在します。これらの会社はリーダー、チャレンジャー、ニッチャー、フォロワーの4つに分類して考えることができます。
  • リーダー
    文字通り、そのマーケットで最も認知度の高い会社、シェアの一番大きいトップの会社です。本稿の例で言うと、リーダーはキューピーになります。
  • チャレンジャー
    リーダーの座を目指せる場所にいる二番手の会社です。リーダーほど認知度はありませんから、独自性を追求するか価格で勝負するか、どちらかの戦略が必要になります。マヨネーズ市場で考えると、味の素や、生協がチャレンジャーです。
  • ニッチャー
    リーダーやチャンレンジャーたちが、手を出していない隙間を狙って勝負する人たちです。マニアや専門家、特別な需要や嗜好を持つターゲットに特化し、専門的な商品や独自性の強い商品を提供して、成功をおさめている会社です。
  • フォロワー
    他社が成功しているビジネスモデルや商品を模倣して後追いする会社です。特別なスキルや強みがなくても、ある程度の利益があげられますが、独自性がないので、長期間フォロワー戦略をとり続けていると次第に会社が疲弊していきます。
上記4つから、自社の仮想敵を探します。中小企業や、新規事業にあてる資金が豊富でない場合には、ニッチャーを目指すのが一般的でしょう。その場合には、リーダーから1社、ニッチャーから2社という具合に競合他社を選びます。チャレンジャーを目指すなら、リーダーから1社、チャレンジャーから2社、選びます。

マクドナルドの競合は、モスバーガーなのか?

ところで、競合他社を探す際に気を付けてほしいことがあります。それは競合他社と類似業者は同義語ではない、ということです。
たとえばマクドナルドの競合他社は、モスバーガーでしょうか、それともロッテリアでしょうか。当然ロッテリアは競合他社にカウントされるでしょう。しかしハンバーガーが主力商品でも、モスバーガーはマクドナルドの競合他社ではありません。なぜなら両社の客層と、そのお客さまが持つ価値観が異なるからです。
同じハンバーガーであっても、マクドナルドに行く人は、低価格で、手軽に食べられて、ガチャガチャした空間が気にならない人たちです。一方、モスバーガーのお客さまは、あまり時間に追われていません。
顧客という論点で考えた場合、マクドナルドの競合他社はむしろ吉野家のほうが近いでしょう。1週間のうちに吉野家に3回、マクドナルドに2回行く人を、マクドナルド3回、吉野家を2回にするにはどうしたらよいか、というのは意味のある戦略です。しかし、週に3回モスバーガーに行く人をマクドナルドに誘導するのは、的外れな戦略と言えます。
ここで大切なのは、自社に最も脅威を与える競争相手は誰かを見つけ、分析することです。
最初から異なるドメインで勝負している他社の分析をしても意味がありません。お客さまの財布の中に入っているお金は決まっています。あなたと競合他社は、そのお金をどちらに対して使ってもらうかを、争っているのです。

Q. 競合他社を3社あげてみる(例)

リーダー 大手食品メーカー Q社
ニッチャー 小規模健康食品メーカー S社
ニッチャー こだわり農場 M社

※ベジ・マヨ社の場合、大豆マヨネーズというニッチなエリアで勝負をする予定です。そこで、小規模ながら良品を提供している健康食品メーカーS社と、はちみつを主原料にしたマヨネーズで有名なM社をピックアップしました。