ビジネスわかったランド (経営・社長)

経営計画の立て方・進め方

「定量」「定性」という2つの経営目標を立てる
経営目標には、売上高や利益といった定量的な目標と、技術開発や新分野進出などの定性的な目標がある

経営ビジョンを実現するために経営目標を立てる

会社の将来のあるべき姿を実現するためには、単なる願望だけでは実現しません。具体的な経営目標を掲げる必要があるのです。経営目標としては、「定量的な目標」と「定性的な目標」があります。

定量的な目標(1) 売上高

非常にわかりやすい数値なので、目標としてよく使われます。売上高を設定することにより、社員は売上拡大をめざすことになります。
しかし、売上高だけだと、「売上は上がっても利益が出ない」という場合が想定されます。そのため、売上を目標とする場合には、「利益目標」の設定も望まれます。

定量的な目標(2) 営業利益

企業とって、「利益を上げること」が第一の“目的”であり、“目標”でもあります。営業利益は営業活動で得た利益であるため、利益の中でも、売上高と同様にわかりやすい目標です

定量的な目標(3) 総資本営業利益率

「企業の全資本でどのくらいの営業利益を上げたか」を判断する目標であり、会社の収益性を総合的に見られる点で優れています。業界の指標や過去の指標などを参考にして率を決定していきます。

定量的な目標(4) 売上高営業利益率

「売上高に対してどれだけ営業利益を上げたか」を示す目標であり、利益率の高さを見られる点で優れています。これも総資本営業利益率同様に、業界の指標や過去の指標などを参考にして率を決定していきます。

定性的な目標(1) 自社固有の技術の開発

中小企業は、取引先企業の下請けになっている場合がほとんどです。下請けの場合、親企業から決められた単価が設定されていたり、度重なるコストダウン要請などにより、思うような利益はなかなか上がりません。脱下請けをめざすのであれば、「自社固有の技術の開発」が求められます

定性的な目標(2) 新分野への進出

既存市場が成熟している場合には、広く新たな事業分野に活路を見出すことも選択肢の1つです。培(つちか)ってきた技術を応用したりして、新分野進出を目標としてみましょう。

定性的な目標(3) 社内の仕組みの再構築

コンピューターを導入したりして、手作業による事務を機械化したり、事務の迅速化と合理化に取り組むことなどが考えられます。ただし、コンピューターの導入は初期費用がかなり必要なため、費用対効果をしっかりと検証する必要があります。

定性的な目標(4) サービスの向上

 業種にもよりますが、接客サービス業であれば、「接遇の向上を図ること」が重要な要素となります。接客サービスの訓練や接客サービスの方法を変えるなどして、サービスを向上させて顧客の信頼をさらに高めていきます。