ビジネスわかったランド (経営・社長)

経営計画の立て方・進め方

経営ビジョンで会社の将来のあるべき姿を描く

「将来こうありたいという夢」を経営計画で書く。
また、その夢は“社員の夢”でもあるので、社員の夢となるものにする

経営ビジョンには社長の強い想いを込める

経営ビジョンを作ることは、会社の将来のあるべき姿(夢)を描くことです。どんな会社にも、「将来こうなりたい」という夢があると思います。そうした夢を経営ビジョンとして挙げていくのです。
ただし、漠然と「こうありたい」という夢ではなく、「社長の強い想い」を込めた夢である必要があります。中小企業の場合、創業社長や二代目社長などが多いため、「社長の強い想い」としましたが、経営者が創業社長や二代目社長ではない場合には、経営計画委員会などで経営ビジョンの草案を作成し、決定していく方法もあります。
中小企業では、日常の業務に追われることが多いので、経営ビジョンを作る人が「将来のことはあまり考えていない」、あるいは、「将来を明確に意識していなかった」こともあると思います。
そのため、どうしても夢が描けないのであれば、現状を分析してみて、「3年後はこうなる」と推定した経営ビジョンを作成してもいいでしょう。

大きな夢であっても「3年後」で考えてみる

いきなり大きな夢(経営ビジョン)を達成できればいいのですが、大きな夢であればあるほど、その夢を達成するのには時間がかかります。そのため、「何年後に会社がこうなる」という夢のステップを踏んでいくことになります。
ただし、経営計画は3か年で作成することが望ましいのです。もし、夢が3年以上の長期にわたる場合には、その夢の途中のステップとして、「3年後はここまで到達する」という前提で作っていきます。

経営ビジョンを明確にする4つの視点

経営ビジョンには、社長の強い想いが必要ですが、単に「会社を大きくしたい」というようなものでは、漠然としていてわかりません。そのため、「(1)事業領域はどこなのか」「(2)商品は何なのか」「(3)規模はどの程度なのか」「(4)社員の夢になるか」という4つの視点から経営ビジョンを作ってみましょう。
会社に入社する社員にとっては、職場の環境や賃金は重要な要素となります。しかし、それだけではありません。
会社が将来についてどのような経営ビジョンを掲げているのかも、社員が会社で働くうえでのたいへん重要な要素となります。とくに、4つの視点の中でも、「(4)社員の夢になるのか」はもっとも大切です。会社の経営ビジョンと自分が会社で実現しようとしている夢とが一致することによって、社員は仕事にやりがいを感じるからです。

経営ビジョンの例

よく見かける中小企業の経営ビジョンは「株式上場」です。株式上場をすると知名度が上がり、市場から大きな資金を獲得することができるために、中小企業にとって株式上場は大きな夢となっています。また、会社の認知度が高くなることで、社員は大きな誇りを持てます。
また、「○○業で○○地域ナンバーワン」という経営ビジョンもよく見かけます。やはり、業種や地域でトップに立つことは、わかりやすい経営ビジョンだと思います。
最近では、「○○商品でオンリーワン企業になる」という経営ビジョンを見かけるようになりました。“オンリーワン”というのは、どの企業もやっていないことを唯一やっているという点において、“トップ”に匹敵する価値があります。
経営ビジョンで会社の方向が決まり、社員の夢が決まってしまいます