経営計画が完成したあとに、経営計画の周知徹底のために経営計画の発表会を開催します。
経営計画は経営者や部門長のみが知っていればいいものではありません。社員全員が経営計画の内容を理解することが大切です。経営計画の内容を知っている人と知らない人がいたのでは、行動がバラバラになってしまうのです。また、経営計画の内容は全員に一度に周知します。
また、経営計画の発表会を開催することには次のようなメリットがあります。

経営計画の発表会のメリット

(1)社長の決意表明
作成した経営計画を何としても実行して、経営計画どおりの成果を出すという決意表明の場となる (2)社員の決意表明
社員も社長同様に経営計画を実行するという決意表明の場となる (3)コミュニケーションの醸成（じょうせい）
全員が１つの場所に集まり、経営計画を通じてコミュニケーションを図ることができる (4)情報の共有
経営計画の内容を全員が情報として共有することができる

経営計画発表会の開催場所については、原則としてホテルなどを借りて実施します。なぜなら、会社以外で実施すると、仕事の電話などが入らないために、集中できるからです。また、あらたまった場所で発表会を実施することにより、完成した経営計画を実施する気分が高揚（こうよう）して、全体が盛り上がります。
ただし、ホテルなどを利用すると相応の費用がかかるので、会社の実情に合わせてください。予算の関係で発表会をあらためて実施するほどの余裕がない場合には、会議室や食堂などを利用してください。 経営計画の発表会の手順は次のとおりです。

経営計画の発表会の手順

(1)経営計画発表会の日時の決定
経営計画委員会で発表会の日時を決定する (2)経営計画発表会の通知
社員全員に、社内通知で案内を出し、全員が発表会に出席するようにする (3)経営計画発表会の実施
(a)社長が経営計画の作成の意義、経営理念、経営ビジョン、経営目標、経営方針を発表する
(b)利益目標の所管部門より、利益目標を発表する
(c)各部門長より、部門の主要施策と行動計画を発表する
(d)司会者が質疑応答を行なって終了

また、経営計画発表会のあとに、社員のコミュニケーションを図るために懇親会を開く場合があります。こうした懇親会は、社員が経営計画についての情報交換をする場となるので、できる限り行なうようにしましょう。

宮内　健次 （株式会社ちばぎん総合研究所 経営コンサル第二部担当部長）
出典： 『はじめての経営計画の作り方・活かし方』（宮内健次 著／日本実業出版社）