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事業承継と相続対策

遺言書の書き方のルールとは?

どの方式を選んでも自由ですが、決まりを守らないと無効になります。
遺言書はどのように書いてもいいわけではありません。民法に定められた方式を満たさないと、法的には無効になります。遺言書が無効なら、通常どおりに遺産分割協議を行なって法定相続することになります。


<<自筆証書遺言と公正証書遺言が一般的>>
民法で定められた方式には、次のものがあります。
●普通方式……自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言
●特別方式……一般臨終遺言、船舶遭難者遺言、伝染病隔絶者遺言、在船者遺言
通常は、普通方式の「自筆証書遺言」か「公正証書遺言」のどちらかで作成するケースがほとんどです。


(1)自筆証書遺言
遺言者が全文を自分で書き(自筆)、署名・押印して作成し、自ら保管します。紙とペンがあればいつでも作成でき、内容を秘密にできること、費用がかからないことなどがメリットです。しかし、様式不備で遺言書が無効になったり、紛失、隠匿、偽造などのおそれがあります。


(2)公正証書遺言
遺言者の意思に基づいて公証人が遺言書を作成し、原本を公証役場に保管します。様式不備のおそれがなく、紛失や偽造などの心配がないのがメリットです。


(3)秘密証書遺言
自筆証書遺言と公正証書遺言の中間的な方式です。手間がかかるわりにメリットが少なく、実際はほとんど利用されていません。
なお、自筆証書遺言と秘密証書遺言は、開封にあたって家庭裁判所の検認を受けなければなりません。


 

著者
本田 桂子(NPO法人 遺言相続サポートセンター理事)
2009年4月末現在の法令等に基づいています。