ビジネスわかったランド (経営・社長)
事業承継と相続対策
一定の書き方を守らないと無効になるのか?
全文自筆にし、日付や署名・押印は忘れないようにしましょう。
下書きをもとに、遺言書の内容を清書します。その際には、次のことを守らないと法的に無効になるので、気をつけてください。
<<自筆証書遺言を書く際の留意点>>
(1)全文自筆にする
タイトル、本文、署名、日付などすべてを自分自身で筆記します。縦書き・横書きのどちらでも構いません。
ワープロやパソコンによる入力、第三者の代筆や口述筆記は認められません。手の力が弱っているからといって、他人に手を添えてもらって書くと、第三者の意思が働いたとして遺言が無効になる可能性があります。
(2)正確な日付を書く
遺言書は最新の日付のものが有効になるので、必ず日付を特定できるように記載しなければなりません。たとえば、「平成二十一年八月十日」と書くべきところを、「平成二十一年八月」「平成二十一年八月大安」のように日付が不完全な遺言書は無効になります。
また、「二月三十日」や「昭和八十年」などありえない元号や表記、あるいは本人が死亡した後の年月日なども有効とは認められません。
(3)氏名を自筆で署名する
本文を書いた後、最後に署名をします。名前は戸籍上の姓名を書くようにしてください。本人が確認できれば姓だけ、名だけでも可能とされますが、やはり姓名をきちんと書いたほうが望ましいでしょう。
芸能人や作家などの有名人の場合は、一般に通用している芸名やペンネームなどでも使用できるとされていますが、戸籍名を使ったほうが後の相続手続きがスムーズにいくと考えられます。
(4)住所を書く
これは必須事項ではありませんが、同姓同名の人がいる可能性を考えると、本人を特定できるように住所を記載したほうがいいでしょう。
(5)押印する
署名の下(横書きなら右)に印鑑を押します。押印は認印や拇印でも構いませんが、後でトラブルになりやすいことを考えると、実印がベストです。印影がかすれたり不完全なものにならないよう、下にゴム台を敷くなどして鮮明に押すようにしてください。
認印を使用する場合は、インクを内蔵したゴム印ではなく、朱肉を付けて押印するタイプの印鑑を使いましょう。
著者
本田 桂子(NPO法人 遺言相続サポートセンター理事)
2009年4月末現在の法令等に基づいています。
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