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事業承継と相続対策

相続が発生したときの公正証書遺言の実行手順は?

相続手続きは簡単、スムーズ、スピーディに進みます。
ついに公正証書遺言が完成しました。これで将来、相続について家族に迷惑をかける心配はなさそうです。実際に相続が発生すると、どのような手順で遺言が実行されるのか見てみましょう。


<<すぐに遺言を実行できる>>
(1)遺族が遺言書を発見する

公正証書遺言の場合、家庭裁判所の検認を受けずに遺言書を開封できるので、自筆証書遺言のように手間と時間がかかりません。遺言書が封印してある場合でも、遺族がすぐに開封して中身を確認できます。遺言書の有効性についても、様式面での不備はあまり考えられないため、通常はそのまま遺言を実行することができます。
また、遺言書が公証人や証人など第三者の立ち会いのもとで作成されていることから、遺言者が誰かに強要されたわけではなく、自分の意思で遺言したことも証明できます。

(2)遺言の内容を実行する
遺言書で指定された相続人や受遺者が金融機関や登記所に遺言書の原本を持参して相続手続きを行ないます。遺言執行者が指定されている場合は、その人が相続人を代表して手続きします。
自筆証書遺言の場合は原本が一通しかないので、相続手続きの際は金融機関ごとにその原本を使い回すことになり、すべての手続きを終えるのに時間がかかります。
これに対して、公正証書遺言の場合は公証役場で何通でも原本の写しである謄本を発行してもらえるので、金融機関や不動産などの手続きの数だけ謄本を発行してもらえば、スピーディに手続きを進められます。


 

著者
本田 桂子(NPO法人 遺言相続サポートセンター理事)
2009年4月末現在の法令等に基づいています。