ビジネスわかったランド (経営・社長)

事業承継と相続対策

遺言の仕方によってトラブルになるケースとは?

中途半端な遺言書はかえってトラブルのもとになります。
せっかく家族のことを思って遺言書をつくっても、法的な不備があったり内容が中途半端だったりして、かえってトラブルのもとになることがあります。結局、遺産分割協議をすることになり、遺族間の話し合いがこじれる場合もあります。また、相続人が遺言書を隠して他の相続人に見せないという話もよく耳にします。
遺言書をつくる際は、次のような事態を招かないように十分注意したいものです。


遺言書のトラブルの例
・遺言書の作成日が抜けているなどの様式不備で遺言が無効になった。
・遺言書に特定の財産についてしか記載されていなかったため、その他の財産については遺産分割協議が必要になった。
・「相続人に財産を3分の1ずつ相続させる」というように遺産の分割割合しか指定していなかったため、結局、遺産分割協議で具体的な財産の分け方を話し合わなければならなかった。
・特定の人に全財産を相続させるという遺言について遺留分の請求をめぐってトラブルになった。
・自筆証書遺言について「これは親父の字じゃない。お前が偽造したんだろう」と言い出した相続人がいて、裁判沙汰になった。
・遺言書を作成したことを誰にも言っていなかったため、死後数年経ってから遺言書が発見された。
・遺言書を書いてから年月が経ちすぎて、記載された財産が消滅するなど内容が実現不可能になった。
・葬儀をすませてから遺言書を開封したら、献体や葬儀の方法などの希望が書いてあった。


著者
本田 桂子(NPO法人 遺言相続サポートセンター理事)
2009年4月末現在の法令等に基づいています。