ビジネスわかったランド (経営・社長)

簡単健康法

目の保健体操
目の保健体操
アメリカ映画にメガネをかけた日本人がよく登場するように、メガネは日本人のトレードマークになっている。実際、日本人でメガネをかけている人は多く、統計的に見ても、日本は世界一の“メガネ王国”なのである。
ところが、同じアジア人でありながら、中国の人でメガネをかけている人は極端に少ない。中国を旅行した人は、そのことにまず驚かされるという。
これはどうしたわけか。
実は、中国人にメガネをかけている人が少ないのは、国を挙げて近視を撲滅する運動を続けた結果なのだ。

中国政府が奨励する健康法
文化大革命(1966~1977年)の当時、国家主席であった毛沢東は、民族の体位向上を力説し、その一環として、視力を高める「目の保健体操」を国民に実践させることにした。これは、毛沢東亡きあと、現在でも中国で盛んに行なわれている。 
目の保健体操は、ツボのなかでもとりわけ視力向上に効果があるとされる、天応や睛明など目の周囲のツボを使って行なう。これらのツボをマッサージすると、近視や老眼、眼精疲労にとりわけ効果があるとされている。
具体的にそのやり方を紹介しよう。なお、ここで紹介するのは中国の目の保健体操をより簡単に、効果的にしたものだ。
(1)眉の頭からすぐ下、眼窩(目のくぼみ)の骨の内側(骨の裏側ではない)を、両手の親指の腹で円を描くように押し揉みする。ここには天応というツボがある
(2)目頭と鼻の付け根の間を、親指と人指し指のそれぞれの腹を当て、鼻の皮膚をつまみ、圧迫しながら揉みほぐす。ここには睛明というツボがある
(3)小鼻(鼻の左右に広がるふくらみ)から1センチ離れたところを、人指し指の腹で押し揉みする。ここには四白というツボがあり、このツボは鼻詰まりにもよく効くツボで、じっくり押していると、鼻がスーッと通ってくる
(4)左右のこめかみに人指し指の腹を当て、じっくりと押し揉みする。ここには太陽というツボがある
天応、睛明、四白、太陽それぞれ1か所につき30~40秒ほど揉み続ける。揉む際には、必ず目を閉じた状態で行ない、決して目を開けてはいけない。この点は、よく守っていただきたい。
(1)から(4)までのすべてを行なっても、2~3分程度であろう。試していただくとわかるだろうが、これだけの簡単な体操で、すぐに目がスッキリし、遠くの景色がクッキリと見えるようになる。とくに目が疲れているときに行なうと、疲れがスーッと抜けていくのがわかるはずだ。
しかも、この目の保健体操を毎日続けていると、近視や老眼による視力低下も回復する。視力回復を目指すのであれば、効果を高めるためにも、朝と晩の2回行なっていただきたい。そんなことで視力がよくなるのか、と思われるかもしれないが、静岡県下の16の小・中学校で3か月間、生徒を対象に行なってみたところ、45%の割合で視力が向上したというデータも存在している。
パソコンなどの導入で、ますます目を酷使することが多くなった。いま、最も注目されてよい健康法といって間違いない。

著者
宮田 充(医療ジャーナリスト)