ビジネスわかったランド (経営・社長)

簡単健康法

足の裏健康法
足の裏健康法
大相撲の幕内では、体重が130キロを超す力士が過半数を占めるようになった。こうしたウルトラ肥満で激しい運動ができるのは驚異的ですらある。
それにしても彼らの元気の秘密は何なのか?
私は力士が丈夫なのは、1日に何百回となく四股(しこ)を踏むからではないかとみている。実はこの四股、足の裏を鍛えるにはもってこいの運動なのだ。
意外と知られていないが、足にはたくさんの血管が集まっているため、足を鍛えると全身の血行がよくなる。最近では、足の裏への刺激そのものが、健康増進に役立っているとも考えられるようになってきた。
青竹を踏んだことのある人は多いだろう。若返るといわれ、実際、青竹踏みで足の裏を刺激している人たちは若々しく、病気にもかかりにくい。それは、なぜかといえば、足の裏には体を健康にする反射区があるからなのだ。

丹念にもむだけでOK
人間の体はそれぞれの器官が生理的につながっていて、その状態が体の離れた部分に投影されている。この投影された部分を反射区といい、今世紀初頭にアメリカの医師・フィッツゲラルド博士が「区帯療法」を創始、さらに第二次大戦後、イングラハム女史が『足は語る』という著書を発表して、足底(足の裏)の図に体の各器官と反射区の関係を示したことから、リフレクソロジー(反射学)の基礎が築かれた。
さらにイングラハム女史から直接指導を受けたドイツのハンネ・マルカート女史が研究を重ねて、リフレクソロジーを体系づけた。マルカート女史の著書『足のリフレクソロジー』(1975年)は長年にわたる世界的なベストセラーとなっている。もちろん日本にも紹介された。
マルカート女史は、「足の裏には人体の骨格、筋肉、臓器など、すべての状況が縮小され、投影されている」と書く。しかも「体のどこかに異常があると、そこに対応する足の裏の反射区に圧痛(押したときに感じる痛み)や硬結(小さなしこり)が現われる」とする。その反応の現われた反射区をもみほぐすと、患部の血行がよくなって、機能が正常になり、体の不調や病気を治すことができる、と強調するのだ。
要は、体のどこかの調子が悪いとき、患部に相当する反射区を探し、そこの圧痛や硬結が消えるまで丹念にもむと、患部に触れずに症状を改善することができるのである。
筆者自身も、かつて腰痛になったときに足の裏を丹念にもんでいたら、腰がいつの間にか軽くなってしまった経験をもつ。実際、足の裏をもむと実に気持ちがいいので、なんらかの効果があることは間違いない。
リフレクソロジーでは、人体に対応した足の反射区の細かい図を利用しているが、そんなに難しく考える必要はない。ただただ足の裏を親指の先で気持ちよく押して、痛いところやしこりのあるところを見つければよい。そこが反射区なのである。
見つけたら、丹念に押したりもんだりして刺激する。5分~10分ももんでいれば、体調がよくなるのが確認できるはずだ。なお、体の左側に異常があるときには左足の反射区を、体の右側に異常があるときには右足の反射区を刺激する。簡単にできるので、ぜひ試していただきたい。

著者
宮田 充(医療ジャーナリスト)