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簡単健康法

郭林新気孔
郭林新気孔

中国には両手を振りながら歩く郭林新気功で、ガンを克服しようとしている人たちがいる。その数なんと150万人以上。
気功は難しいものが多い。ところが、郭林新気功は単純な動作を繰り返すだけだ。単純な動作を繰り返しているうちに、病気に打ち勝とうという強い心が生まれ、前向きな姿勢がガンを治療していくのだといわれている。
この気功をつくり出したのは中国の画家・郭林(1909~1984年)。彼女は40歳のとき子宮ガンになり、何度も手術を受けたが、転移のために西洋医学から見放されてしまった。そこで、独自に気功法を考案、簡単な動作だけで見事にガンに打ち勝った。
もちろん、単純に両手を振りながら歩くだけといっても、まったく科学的な裏付けがないというわけではない。ガン細胞は、酸素に弱いといわれている。そこで、郭林女史は酸素を十分に取り入れる風呼吸に注目したのだった。
中国には呼吸法が220種類もあるが、なかでも強力なのが風呼吸法だ。ただ、この呼吸法は強すぎて危険な面があるので、手を振って歩く歩行運動と組み合わせて、その害を抑えたのである。

単純な動作の繰り返し
やり方は、予備功から始まる。
(1)両足を肩幅に開いて立ち、静かに眼を閉じ、頭から雑念を払って全身をリラックスさせる
(2)右手を丹田(ヘソの下)に置き、その上に左手を重ねる(男性は左手が下)。そして、鼻からゆっくりと息を吸い、ゆとりを残して吸い終わったら、口から糸のように細くゆっくりと吐き出す(3回繰り返す)
(3)丹田の前で両手の掌を下に向け、両手を水平にやわらかく開いていく。腰幅くらいまでになったら、掌を向かい合わせて丹田の前まで閉じていく。これは自然呼吸で行なう(同じく3回繰り返す)
このあと、いよいよ手を振って歩く気功が始まる。
(1)右足に重心をかけながら、左足を浮かせて「点」をする。点とは、足の甲を落として足の指の腹を地面につける動作のこと。このとき掌を下に向け、右手は丹田の前へ、左手は体の左側面から20センチくらい離れたところにくるようにする
(2)2本の平行線上を歩くように左足を前に出し、踵から着地。顔は前方を向いたまま、鼻から短く「シー」と2回息を吸う
(3)重心が前に移っていくとともに、今度は逆に左手が丹田の前、右手は体側から20センチほど離れたところに動かす。さらに2本の平行線上の右側に、右足を踵から乗せて着地。このとき鼻から息を「フー」と吐き出す
これの繰り返しなのだが、4歩めごとに顔と上半身を手と同じ方向に軽く向ける。そして、以上を20分を限度に行なったら、今度は予備功の(3)を行ない、さらに今度は足を替えて左足から出して同じ動作を繰り返す。これも20分を限度に。終わったら、終功として予備功を逆の順番に行なうというのが手順だ。
終わったあとは、十分に休息を取る。横になり、そのまま眠ってもかまわない。なお、心臓病、高血圧、動脈硬化のある人は、鼻から息を出し入れするのでなく、普通の呼吸で行なってもらいたい。
最初は複雑な動作に思われるかもしれないが、慣れればスムースに手も足も出ることだろう。

著者
宮田 充(医療ジャーナリスト)