ビジネスわかったランド (経営・社長)

経営の問題

大規模な合同展示会で集客を図るには?
 事前準備が集客や成果を大きく左右する。

展示会は、営業戦略の見直しや業務改革のチャンスともなるものであり、社員教育の場としても活用できる。効果的な集客策は、展示会の成果を確実に上げる方法にも相通じる。

<< 成功に導く四つのポイント >>

(1)出展目的の明確な設定が第一
自社の認知度アップ、特定商品のPR、新規顧客の開拓、既存顧客への販売促進などなど、出展目的によってプレゼンテーション内容や方法も変わってくる。あれもこれもと欲張らず、目的を明確に絞るのが第一。

(2)説明用ツールの作成
来場者すべてに営業マンを貼り付けるのは不可能だし、冷やかし気分の来場者も多いので非効率。アルバイトなど臨時の接客員でも説明できるよう、マニュアルとツールを用意する。
説明内容を分類し、図表やイラスト、写真等を駆使して表現する。それをプレゼンテーションソフトで仕上げし、プロジェクターで投影したり、ノートパソコンで説明する。あわせて、プリントアウトして展示する。

(3)プレスリリース等による告知
集客のためには、自社で顧客を呼び込むことが基本となる。得意先などに事前に展示内容を伝えておけば、会場では前置きなしに即、商談に入れる。
まず集客目標を設定し、既存顧客のほか新規顧客で来場が見込めるところをカウントして数字目標化する。次いで、案内状等の送付先リストの作成だが、目標顧客数を確保しようと思ったら、目標の10倍以上、リストアップする必要がある。年1回の展示会ならば、1年かけて名簿を集める活動を行なう必要があるということだ。郵送や個別訪問以外に、会社の業務内容に関係するメールマガジンや社長ブログなども併用したい。
案内状は、会社やセクション宛ではゴミ箱行きになりがちなので、個人宛としたい。差出人も、会社名だけとせず、個人名(社長、事業部責任者に限らず担当者名でもよい)を記す。
そのほか、新聞などにそのまま掲載できるような形に情報をまとめたプレスリリースを作成するとよいだろう。内容はニュース性を重視し、展示商品やサービスにどんな新規性があるかを前面に打ち出す。プレスリリースが新聞に掲載されなかった場合でも、プレスリリースを案内状に添付すれば顧客の関心を呼ぶ効果も期待できる。

(4)ブース差別化と演出ポイント
来場者を自社のブースに呼び込むには、限られたブース空間で最大限の演出をしなければならず、他のブースとの差別化を図る必要がある。
まず第一印象を戦略的にコントロールする。何をアピールしたいのか。エキサイティングなイメージなのか、ハイテク性なのか、信頼性や重厚さなのか。それぞれのイメージにふさわしい色使いやパネルデザイン、書体等があるので、社外デザイナーに依頼するときは何を訴えたいかを明確に伝えることだ。
また、ブースの床、壁面などのデコレーション、照明の使い方のほか、スタッフの服装や表情も重要な視覚的要素であることも考慮に入れておきたい。
そこまでコントロールしようと思えば、当然、リハーサルやトレーニングも必要だ。ロールプレイング形式で、来場者役とスタッフ役に分かれて接客やプレゼンの段取りを事前に確認することをお勧めする。

月刊誌「経営者会報」臨時増刊号より
2008年8月末現在の法令等に基づいています。