ビジネスわかったランド (経営・社長)
経営の問題
万一に備え経営セーフティ共済に入りたい
戦略的な掛金設定がポイントとなる。
経営セーフティ共済(正式名称:中小企業倒産防止共済)は、取引先の倒産の影響による連鎖倒産を防止するための制度で、国の全額出資による独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営している。
加入する際の掛金(保険料)は、毎月5000円から8万円(5000円単位)と中小企業の身の丈に合わせた額の設定が可能で、掛け捨てではなく解約手当金もある。
<< 万一に備えた掛金設定に >>
もし取引先が倒産し、売掛金等が回収できなくなった場合、貸付金額は掛金総額の10倍に相当する額か、回収が困難となった売掛金債権等の額のいずれか少ない金額となる。
たとえば、毎月5万円を掛けていて10か月経過した時点で取引先の売掛金600万円が回収不能となってしまったと仮定する。
この時点での掛金総額は50万円だから、貸付を受けられる金額は500万円となる。しかし、それでは実際に回収不能となった600万円全額の穴埋めはできない。
ここで私は、戦略的に掛金額を設定しておくことをお勧めしたい。通常は、万一のためにこの制度に加入するわけだが、なんとなくこのぐらいと掛金を決めるケースがほとんどだと思われるからだ。
自社の取引先に対する売掛金は、業種にもよるが一定である会社が多いのが現状だ。
また、取引先の業績がよくないといった噂や情報は、業界内でもよく聞かれるのではないだろうか。
とはいえ、長年の取引関係から断ち切る判断ができないのであれば、その取引先が倒産した場合の売掛金残高を常に把握しておき、万一のときに全額フォローできるような掛金を設定しておくことが、本制度の最も有効な活用方法となるだろう。
掛金は、途中で増減できるので、取引先に対する売掛金が一定でない場合や、自社の資金繰りも勘案し、随時変更するといいだろう。
また、貸付期間は五年間だが、借入当初の六か月は据え置かれるので、良心的な制度といえる。加えて、取引先の倒産事由がなくても低金利で借りることができる、「貸付一時金」という制度もある。
<< 申込先はメインバンクに >>
申込先は、金融機関、商工会など多くの窓口があるが、もし申込むならば、自社のメインバンク経由の申込み・口座振替での掛金引落としをお勧めする。
なぜなら、メインバンクに対して「万一、取引先の倒産により売掛金の未回収が起きた場合、この制度に加入していることによって当面の資金は賄える」というメッセージを送ることができるからだ。メインバンクを安心させ、同時に、万一に備えている手堅い会社というイメージを与えることができるわけだ。
このように、なんとなく掛金を積み立てるのではなく、対メインバンク、万一の場合の必要資金を想定してから申し込むことが、自社にとってのメリットが最も大きくなると考えられるだろう。なお、本制度の詳しい内容は、中小企業基盤整備機構HP(http://www.smrj.go.jp)を参照していただきたい。
月刊誌「経営者会報」臨時増刊号より
2008年8月末現在の法令等に基づいています。
経営セーフティ共済(正式名称:中小企業倒産防止共済)は、取引先の倒産の影響による連鎖倒産を防止するための制度で、国の全額出資による独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営している。
加入する際の掛金(保険料)は、毎月5000円から8万円(5000円単位)と中小企業の身の丈に合わせた額の設定が可能で、掛け捨てではなく解約手当金もある。
<< 万一に備えた掛金設定に >>
もし取引先が倒産し、売掛金等が回収できなくなった場合、貸付金額は掛金総額の10倍に相当する額か、回収が困難となった売掛金債権等の額のいずれか少ない金額となる。
たとえば、毎月5万円を掛けていて10か月経過した時点で取引先の売掛金600万円が回収不能となってしまったと仮定する。
この時点での掛金総額は50万円だから、貸付を受けられる金額は500万円となる。しかし、それでは実際に回収不能となった600万円全額の穴埋めはできない。
ここで私は、戦略的に掛金額を設定しておくことをお勧めしたい。通常は、万一のためにこの制度に加入するわけだが、なんとなくこのぐらいと掛金を決めるケースがほとんどだと思われるからだ。
自社の取引先に対する売掛金は、業種にもよるが一定である会社が多いのが現状だ。
また、取引先の業績がよくないといった噂や情報は、業界内でもよく聞かれるのではないだろうか。
とはいえ、長年の取引関係から断ち切る判断ができないのであれば、その取引先が倒産した場合の売掛金残高を常に把握しておき、万一のときに全額フォローできるような掛金を設定しておくことが、本制度の最も有効な活用方法となるだろう。
掛金は、途中で増減できるので、取引先に対する売掛金が一定でない場合や、自社の資金繰りも勘案し、随時変更するといいだろう。
また、貸付期間は五年間だが、借入当初の六か月は据え置かれるので、良心的な制度といえる。加えて、取引先の倒産事由がなくても低金利で借りることができる、「貸付一時金」という制度もある。
<< 申込先はメインバンクに >>
申込先は、金融機関、商工会など多くの窓口があるが、もし申込むならば、自社のメインバンク経由の申込み・口座振替での掛金引落としをお勧めする。
なぜなら、メインバンクに対して「万一、取引先の倒産により売掛金の未回収が起きた場合、この制度に加入していることによって当面の資金は賄える」というメッセージを送ることができるからだ。メインバンクを安心させ、同時に、万一に備えている手堅い会社というイメージを与えることができるわけだ。
このように、なんとなく掛金を積み立てるのではなく、対メインバンク、万一の場合の必要資金を想定してから申し込むことが、自社にとってのメリットが最も大きくなると考えられるだろう。なお、本制度の詳しい内容は、中小企業基盤整備機構HP(http://www.smrj.go.jp)を参照していただきたい。
月刊誌「経営者会報」臨時増刊号より
2008年8月末現在の法令等に基づいています。
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