ビジネスわかったランド (経営・社長)
取締役の責任
利益相反取引と取締役の責任は?
利益相反取引が行なわれたとき、取締役の会社に対する責任はどうなるのか。
利益相反取引についての取締役の責任は、会社に生じた損害を賠償する責任である。株主総会ないし取締役会の承認を得ないままに取引が行なわれた場合と、承認を受けて取引をした場合とに分けて説明する。
<< 承認を受けていないときの責任 >>
まず、株主総会ないし取締役会の承認を受けないで利益相反取引が行なわれた場合の取締役の責任としては、次の二つのパターンがある。
(1)承認を受けるべきであった取締役および会社側でその取引につき業務執行した取締役の、任務懈怠を理由とする、会社に対する損害賠償責任
(2)その取引自体には係わっていなくても、取引が行なわれたことについて、監督怠慢と指弾されるべき取締役がいるときは、その取締役も任務を怠った責任を問われる
<< 承認のあるときの責任 >>
次に、株主総会ないし取締役会の承認のある利益相反取引については、たとえ承認があったにせよ、その取引によって会社に損害が発生した場合、取締役の任務懈怠を推定する規定が置かれている。
そのような推定を受ける取締役とは、
(1)利益相反取引につき承認を受けた取締役
(2)会社側でその取引をすることを決定した取締役
(3)取締役会の承認決議に賛成をした取締役(議事録に異義を留めなかった取締役は賛成したものと推定される)
である。
利益相反取引については、会社には絶対に損失が生じないように、二重三重にも取締役に責任が課せられているのである。よほどの場合でなければ、利益相反取引は抑制すべきである。
著者
横山 康博(弁護士)
2010年6月末現在の法令等に基づいています。
利益相反取引についての取締役の責任は、会社に生じた損害を賠償する責任である。株主総会ないし取締役会の承認を得ないままに取引が行なわれた場合と、承認を受けて取引をした場合とに分けて説明する。
<< 承認を受けていないときの責任 >>
まず、株主総会ないし取締役会の承認を受けないで利益相反取引が行なわれた場合の取締役の責任としては、次の二つのパターンがある。
(1)承認を受けるべきであった取締役および会社側でその取引につき業務執行した取締役の、任務懈怠を理由とする、会社に対する損害賠償責任
(2)その取引自体には係わっていなくても、取引が行なわれたことについて、監督怠慢と指弾されるべき取締役がいるときは、その取締役も任務を怠った責任を問われる
<< 承認のあるときの責任 >>
次に、株主総会ないし取締役会の承認のある利益相反取引については、たとえ承認があったにせよ、その取引によって会社に損害が発生した場合、取締役の任務懈怠を推定する規定が置かれている。
そのような推定を受ける取締役とは、
(1)利益相反取引につき承認を受けた取締役
(2)会社側でその取引をすることを決定した取締役
(3)取締役会の承認決議に賛成をした取締役(議事録に異義を留めなかった取締役は賛成したものと推定される)
である。
利益相反取引については、会社には絶対に損失が生じないように、二重三重にも取締役に責任が課せられているのである。よほどの場合でなければ、利益相反取引は抑制すべきである。
著者
横山 康博(弁護士)
2010年6月末現在の法令等に基づいています。
キーワード検索
タイトル検索および全文検索(タイトル+本文から検索)ができます。
検索対象範囲を選択して、キーワードを入力してください。