ビジネスわかったランド (経営・社長)

取締役の職務

取締役の職務とは?
 取締役の職務は、会社の委任に基づいて会社を繁栄に導くことである。

取締役会設置会社では具体的にいえば、次の三つに分かれる。

<< 取締役会に出席して審議に参加 >>

第一には、取締役会に出席して会社の意思決定に加わることである。会社の意思決定は、一部の重要事項は株主総会の権限事項とされているが、それ以外については取締役会の権限である。その取締役会の構成員が取締役なのであり、取締役会に出席して意見を述べ、決議に参加することこそ、取締役の最も基本的な職務なのである。
ちなみに、取締役には使用人兼務取締役、業務担当取締役、役付取締役などの区別や、常勤取締役、非常勤取締役、社外取締役などの違いがあるが、どのような取締役にとっても取締役会に出席して審議に加わることは必要最小限の職務である。

<< 会社の代表・代理として業務執行 >>

第二には、取締役会の決定に基づいて与えられた対外的・社内的業務の責任を果たすことである。会社を代表または代理して対外的な業務をするのは、基本的には代表取締役および取締役会で業務執行取締役に指名され受諾した取締役の職務であるが、その他の役付取締役でも平取締役でも、取締役会で認められ与えられた権限の範囲内で対外的な業務執行行為をすることができる。たとえば総務担当取締役が一定範囲の備品購入契約を結ぶことなどである。
また、取締役は社内業務を分担し、その部門責任者として使用人を指揮監督するが、この仕事も担当取締役の重要な職務である。

<< 取締役の業務遂行状況を監視 >>

第三には、各取締役から、取締役会の決定に忠実に業務を執行しているかについて取締役会で報告を受け、その状況を監視することである。代表取締役の業務執行行為についてだけでなく、各取締役が業務執行、業務担当を分担している以上、それぞれについて報告と監視が義務づけられていると考えてよい。

著者
横山 康博(弁護士)
2010年6月末現在の法令等に基づいています。