ビジネスわかったランド (経営・社長)

役員給与・賞与・退職金

税務上、損金に算入されない役員給与とみなされるものは
 使途不明金や経済的利益等については、役員給与と認定されることがある。

使途不明金も認定給与
役員に交付した金銭で支出の相手先が明らかでない場合は、使途不明金が発生する。
使途不明金は、実際にその支出があったかどうか確証がなく、また支出の事実が推定できても損金となる費用かどうか確認できないため、損金に算入されない。
役員に交付した金銭が使途不明金となった場合、個人資産の取得や子供の学費に充てるなど個人的に費消しているときは、役員給与と認定され、「定期同額給与」や「事前確定届出給与」等に該当しないことから会社は損金不算入として課税され、役員個人も所得税が課される。
役員に対する個人的な仮払金も精算されずにいると、税務調査で給与か貸付金と疑われる。給与となるか貸付金となるかは事実認定にもよるが、役員に返済の意思がなければ給与と認定され、返済するということなら貸付金とされる公算が高い。後者の場合、認定利息が経済的利益として役員給与に加算され、併せて源泉所得税も課されることになる。
税務調査で売上除外や架空経費の否認により脱漏所得が発見され、役員個人が費消していたときや、費用として支出していたものが役員への臨時の経済的利益と指摘されたときは、認定給与とされ、法人課税と個人課税が課せられる。
また、売上除外や架空経費の計上などで簿外資金をプールしてヤミ献金や裏リベートなどに使った場合はもちろん、一般の費用処理や仮払金、貸付金であっても、相当の理由なしに支出の相手先を秘匿した場合、同じ使途不明金であっても支出金額は損金不算入となり、40%の追加課税という重課が課せられ、支出金額とほぼ同額の税金がかかる。
それらをまとめると次の表のようになる。


経済的利益の取扱いは
毎月おおむね一定の経済利益は「定期同額給与」として損金に算入できる(過大部分は除く)が、それ以外のものは損金に算入されない。

著者
西辻 勝利(税理士)
監修
税理士法人A.Ⅰブレイン
2013年3月末現在の法令等に基づいています。