ビジネスわかったランド (経営・社長)
経営計画の立て方・進め方
開発(設備、人材、研究開発)投資計画の着眼ポイントは
開発投資計画は、図表1のフローチャートに従い、設備投資、人材投資、研究開発投資などの分野にわたり、採算計算に軸を置いた妥当性を重視しながら設定する。
開発投資計画は、次の図表1に沿って、中長期目標の開発方針をもとに、翌年度経営重点方針を加味しながら設定する。開発投資計画は、設備投資、人材投資、研究開発投資の3つの面から検討し、予算化する。
(STEP1)設備投資
設備投資計画は、生産設備 物流施設 福利厚生施設 営業所 情報化投資など、設備投資の内容ごとに立案する。
(STEP2)人材投資
人材の採用と人材育成の両面から投資内容と予算を決める。
(STEP3)研究開発投資
研究開発費は、通常、商品開発に関わる投資を意味するが、ここでは市場開拓投資と経営開発投資を含めている。これについても、前の2項目と同様、内容と予算を決める。
いずれも、投資内容は、中長期投資の内容を明らかにして、その中で翌年度の計画を設定する。
<< 設備投資計画の着眼点 >>
設備投資の狙いの変遷
設備に関わる投資は、高度成長期には増産、拡大のための設備が中心であったが、高度成長が終わり、マイナス成長期には生き残りのために設備投資を控えて縮小均衡に向かった。そして円高不況では、生き残りをかけて省力化、合理化投資に目が向けられ、現在では併せて、新規事業展開と働きやすい環境づくりのための設備投資に目が向けられている。
このように設備投資は時代の変化とともに、その着眼が変わってきており、現在の状況を踏まえて、中長期計画実現に向けて、設備投資を選択する必要がある。
設備投資の内容
設備投資には、次のような設備が含まれる。
(1) 生産設備投資
生産に関わる設備で、工場の新設、生産量の増大のための追加あるいは新規設備、省力化、合理化のための設備、品質向上のための検査設備などがある。なお、研究開発や技術開発のための設備は、ここでは製品開発投資に含めた。
生産設備の着眼点は、多品種少量、短納期というユーザーニーズに応える生産体制づくりと、コンピュータ制御による工場全体の統合生産情報システムの構築に、その焦点が当てられつつある。
(2) 営業拠点投資
営業所など、営業活動のための拠点づくりの設備投資で、事務所建物の取得費だけでなく保証金なども含まれる。
(3) 物流施設投資
物流センターや物流機械設備など、物流に関わる設備投資。物流の合理化が企業の利益を生み出すだけでなく、より進んで、新しい物流システムが事業のチャンスを作り出す時代になっている。
また、物流は自社単独だけでなく、物流共同化によって問題解決を図る動きも盛んになってきており、サプライチェーンの観点から物流問題は今後一層、注目されてこよう。
(4) 福利厚生施設投資
社宅や独身寮だけでなく、社員家族を含めたリフレッシュのための保養施設や健康増進のための施設の設置などが福利施設投資となる。
(5) 情報化投資
情報化推進のための設備投資。
事務の合理化のためのコンピュータ投資から始まった情報化はユビキタス社会に進んでいる。
設備投資計画設定の手順と妥当性判断のポイント
設備投資計画の立案から決定までのプロセスは、次の図表2のとおりである。
(1) 中長期計画との妥当性
設備投資でまず大切なことは、自社の中長期方針や計画と整合性が図られているかどうかである。
単なる生産量拡大だけの投資ではなく、設備投資を通して企業の体質強化が図られ、魅力ある会社づくりに貢献することの確認とともに、自社の資金力に適した適正規模の設備であることが大切である。
(2) 立地の選定と吟味
公害問題など環境条件を初めとして、通勤環境など従業員の採用条件からみて適切かどうかが検討されているか。
また、流通業の場合、将来の商圏や客の流れの変化や競合企業の進出などを考慮する。
(3) 需要予測
受注数量、金額の見積りは、根拠がはっきりしているか、発注先の言葉をそのまま信じて、期待はずれになるような恐れはないか。
流通業の場合には、商圏の需要と自社の経営力を考慮して判断することが大切である。
(4) 投資額の見積り
投資額は、土地、建物、設備のほか保証金などが適正に見積られているか。ハードだけでなくソフトの投資額も忘れてはならない。
また、増加運転資金を考慮に入れていることも大切なポイントである。
(5) 採算の予測
設備投資に伴う採算予測は、まず売上の見積りは根拠がはっきりしているか、原価、費用の見積りは科目別に変動費、固定費に分けて見積っているかなど、採算予測の妥当性とともに、設備に伴う経済性の判断を客観的に行なうことである。この点については後述する。
(6) 資金調達と資金計画
資金の調達先は信用のおけるところか、返済は設備投資による収益で十分可能か、資金調達により経営の安全性は損なわれないかといった、資金面での検討が必要である。
(7) 人員の補充と教育
そして最後は人材の問題である。人員の採用計画は大丈夫か、管理者など指導者はいるか、この点が最も大切と思われる。
設備投資の採算計算
設備投資の経済性を判断する指標はいくつかあるが、一般的には投資利益率法、投資回収期間法、現在価値法が使われるので、この3つについて説明をしておこう。それぞれ経済性判断の根拠が異なるので、実際にはこれらを勘案して経済性を判断する。
(1) 投資利益率法
投資による利益が、投下した資本に対してどれだけの割合になっているかをみるもので、%で表わす。算式は次の図表3のとおり。
(2) 回収期間法
投資額が、キャッシュフローによって回収できる年数を求める方法で、短い年数で回収できるほど採算性がよいと判断する。算式は、次の図表4のとおり。
(3) 現在価値法
投資の耐用期間中で得られたキャッシュフローの合計と、投資総額とを比較して採算性を判断するもので、キャッシュフローの合計額が多いほど採算がよいと判断する。
この方法は、時間の経過に伴う資本のコストを考慮するところが前記の2方法と異なる。
すなわち、キャッシュフロー各年の合計額と投資総額をそれぞれ現在の価値に換算して現在価値の比較をするので現在価値法と呼ばれる。算式は、次の図表5のとおり。
<< 人材開発投資 >>
人材投資計画は、人材採用投資と人材育成投資とに分けて考える。
人材採用投資の内容
人材の採用は、「投資」と考えるべきである。
人材採用投資はさらに、採用のための社内体制と、求人活動費に分けて、翌年度の採用人員を部門別に確定する。
社内体制では、採用専門部門あるいは担当者を置くことが欠かせない。従来は採用は総務部門が片手間に行なったものだが、これではいい人材が採用できない。商品開発やマーケティングと同じくらい重要に考えて、まず専門担当を置くことから始める。
最近では、社内でも第一線の中堅社員を採用担当者に配置する会社が増えている。営業の、製造の、設計の第一線で、全社を引っ張っている人が採用活動にあたることは、彼らが自分たちの仲間や後輩を育てる気持ちで採用にあたるだけに、成果が高いのである。何といってもこれが最も高価な投資といえようか。
採用活動投資は、学校訪問、会社説明会を始め、会社案内の制作から求人媒体への投資などが含まれる。
人材育成投資計画を立てる
採用投資とともに人材育成投資も重要である。環境変化を乗り切れる、また、競合企業に負けない人材を育てることも、将来の人的能力を高めるという意味では大切な「投資」活動である。
いまや、人材育成は最も大切な経営戦略となった。しかも、それは従来の教育投資のように、単に知識や技能教育だけでなく、全人格を含めた育成、それも集合教育だけでなく、人事制度やOJTを含めた総合的な人材育成のシステムによって一人ひとりのマンパワーを高めるとともに、これを通して組織全体のパワーの発揮を促すことに変わってきている。
人材育成投資は、社内の育成システムと社外の研修などに分けて、これらの内容と予算を設定する。
大切なことは、継続的、計画的に、また、業績評価や給与システムあるいは人事制度、ローテーションといった会社のシステムに組み込んで人材開発を計画することであろう。
大企業と比べて格差をつけられている中小企業としては、知識もさることながら、技能や人間性の面で、また、組織風土の活性化の面で大企業を上回るよさを引き出すことが成長のカギを握る。
<< 企業成長のための研究開発(R&D)投資 >>
求められる研究開発投資
R&D(Research&Development)は、研究開発の意味で、企業の将来のための新製品開発、新規市場開拓、さらに経営の質的レベルを高めるための経営開発の3つから考える必要がある。
通常、R&Dというと、新製品や新技術開発のための投資をいうが、中小中堅企業では市場開拓や経営開発も新製品開発に劣らず大切な要因であるので、ここではR&Dに含めた。
R&Dの内容と着眼点
(1) 新商品開発投資
R&Dでは、何といっても新商品開発がメインであるが、金をかければよいものができるというのでは決してない。大切なことはテーマを決めることである。
これは事業開発のところでも触れたが、中小・中堅企業の分野であること、そして、自社の得意分野が活かせることがポイントである。
技術的な開発を終えた製品の商品化のための開発投資や、パッケージやデザインなどの開発もここに含めて考えたい。
生産技術の開発は、商品間発とはいえないが、ここでは新商品開発に含めて考える。
(2) 新規市場開拓投資
新しい事業分野への進出や市場開拓のための市場調査、消費者調査、研究など、日常の販売活動以外の投資がここでいう市場開拓投資である。
マーケティング活動のためのモニター制度やメーカーのアンテナショップ、また、市場開拓目的の広告宣伝や販売促進活動も新規市場開拓投資と考えたい。
(3) 経営開発投資
経営開発とは、新しい経営のシステムの導入や経常の質的レベルを高めるための研究や指導活動などである。
県や民間機関の経営診断や経営指導を受けたり、また、QC活動の展開や物流システムの改革など、社内の改善活動も含められる。経営資源が人的なそれに大きく依存する中小・中堅企業こそ、この人的資源を最大限に発揮させるような経営開発への取り組みが必要であろう。
著者
天明 茂(公認会計士、宮城大学名誉教授)
2007年12月末現在の法令等に基づいています。
開発投資計画は、次の図表1に沿って、中長期目標の開発方針をもとに、翌年度経営重点方針を加味しながら設定する。開発投資計画は、設備投資、人材投資、研究開発投資の3つの面から検討し、予算化する。
(STEP1)設備投資
設備投資計画は、生産設備 物流施設 福利厚生施設 営業所 情報化投資など、設備投資の内容ごとに立案する。
(STEP2)人材投資
人材の採用と人材育成の両面から投資内容と予算を決める。
(STEP3)研究開発投資
研究開発費は、通常、商品開発に関わる投資を意味するが、ここでは市場開拓投資と経営開発投資を含めている。これについても、前の2項目と同様、内容と予算を決める。
いずれも、投資内容は、中長期投資の内容を明らかにして、その中で翌年度の計画を設定する。
<< 設備投資計画の着眼点 >>
設備投資の狙いの変遷
設備に関わる投資は、高度成長期には増産、拡大のための設備が中心であったが、高度成長が終わり、マイナス成長期には生き残りのために設備投資を控えて縮小均衡に向かった。そして円高不況では、生き残りをかけて省力化、合理化投資に目が向けられ、現在では併せて、新規事業展開と働きやすい環境づくりのための設備投資に目が向けられている。
このように設備投資は時代の変化とともに、その着眼が変わってきており、現在の状況を踏まえて、中長期計画実現に向けて、設備投資を選択する必要がある。
設備投資の内容
設備投資には、次のような設備が含まれる。
(1) 生産設備投資
生産に関わる設備で、工場の新設、生産量の増大のための追加あるいは新規設備、省力化、合理化のための設備、品質向上のための検査設備などがある。なお、研究開発や技術開発のための設備は、ここでは製品開発投資に含めた。
生産設備の着眼点は、多品種少量、短納期というユーザーニーズに応える生産体制づくりと、コンピュータ制御による工場全体の統合生産情報システムの構築に、その焦点が当てられつつある。
(2) 営業拠点投資
営業所など、営業活動のための拠点づくりの設備投資で、事務所建物の取得費だけでなく保証金なども含まれる。
(3) 物流施設投資
物流センターや物流機械設備など、物流に関わる設備投資。物流の合理化が企業の利益を生み出すだけでなく、より進んで、新しい物流システムが事業のチャンスを作り出す時代になっている。
また、物流は自社単独だけでなく、物流共同化によって問題解決を図る動きも盛んになってきており、サプライチェーンの観点から物流問題は今後一層、注目されてこよう。
(4) 福利厚生施設投資
社宅や独身寮だけでなく、社員家族を含めたリフレッシュのための保養施設や健康増進のための施設の設置などが福利施設投資となる。
(5) 情報化投資
情報化推進のための設備投資。
事務の合理化のためのコンピュータ投資から始まった情報化はユビキタス社会に進んでいる。
設備投資計画設定の手順と妥当性判断のポイント
設備投資計画の立案から決定までのプロセスは、次の図表2のとおりである。
(1) 中長期計画との妥当性
設備投資でまず大切なことは、自社の中長期方針や計画と整合性が図られているかどうかである。
単なる生産量拡大だけの投資ではなく、設備投資を通して企業の体質強化が図られ、魅力ある会社づくりに貢献することの確認とともに、自社の資金力に適した適正規模の設備であることが大切である。
(2) 立地の選定と吟味
公害問題など環境条件を初めとして、通勤環境など従業員の採用条件からみて適切かどうかが検討されているか。
また、流通業の場合、将来の商圏や客の流れの変化や競合企業の進出などを考慮する。
(3) 需要予測
受注数量、金額の見積りは、根拠がはっきりしているか、発注先の言葉をそのまま信じて、期待はずれになるような恐れはないか。
流通業の場合には、商圏の需要と自社の経営力を考慮して判断することが大切である。
(4) 投資額の見積り
投資額は、土地、建物、設備のほか保証金などが適正に見積られているか。ハードだけでなくソフトの投資額も忘れてはならない。
また、増加運転資金を考慮に入れていることも大切なポイントである。
(5) 採算の予測
設備投資に伴う採算予測は、まず売上の見積りは根拠がはっきりしているか、原価、費用の見積りは科目別に変動費、固定費に分けて見積っているかなど、採算予測の妥当性とともに、設備に伴う経済性の判断を客観的に行なうことである。この点については後述する。
(6) 資金調達と資金計画
資金の調達先は信用のおけるところか、返済は設備投資による収益で十分可能か、資金調達により経営の安全性は損なわれないかといった、資金面での検討が必要である。
(7) 人員の補充と教育
そして最後は人材の問題である。人員の採用計画は大丈夫か、管理者など指導者はいるか、この点が最も大切と思われる。
設備投資の採算計算
設備投資の経済性を判断する指標はいくつかあるが、一般的には投資利益率法、投資回収期間法、現在価値法が使われるので、この3つについて説明をしておこう。それぞれ経済性判断の根拠が異なるので、実際にはこれらを勘案して経済性を判断する。
(1) 投資利益率法
投資による利益が、投下した資本に対してどれだけの割合になっているかをみるもので、%で表わす。算式は次の図表3のとおり。
(2) 回収期間法
投資額が、キャッシュフローによって回収できる年数を求める方法で、短い年数で回収できるほど採算性がよいと判断する。算式は、次の図表4のとおり。
(3) 現在価値法
投資の耐用期間中で得られたキャッシュフローの合計と、投資総額とを比較して採算性を判断するもので、キャッシュフローの合計額が多いほど採算がよいと判断する。
この方法は、時間の経過に伴う資本のコストを考慮するところが前記の2方法と異なる。
すなわち、キャッシュフロー各年の合計額と投資総額をそれぞれ現在の価値に換算して現在価値の比較をするので現在価値法と呼ばれる。算式は、次の図表5のとおり。
<< 人材開発投資 >>
人材投資計画は、人材採用投資と人材育成投資とに分けて考える。
人材採用投資の内容
人材の採用は、「投資」と考えるべきである。
人材採用投資はさらに、採用のための社内体制と、求人活動費に分けて、翌年度の採用人員を部門別に確定する。
社内体制では、採用専門部門あるいは担当者を置くことが欠かせない。従来は採用は総務部門が片手間に行なったものだが、これではいい人材が採用できない。商品開発やマーケティングと同じくらい重要に考えて、まず専門担当を置くことから始める。
最近では、社内でも第一線の中堅社員を採用担当者に配置する会社が増えている。営業の、製造の、設計の第一線で、全社を引っ張っている人が採用活動にあたることは、彼らが自分たちの仲間や後輩を育てる気持ちで採用にあたるだけに、成果が高いのである。何といってもこれが最も高価な投資といえようか。
採用活動投資は、学校訪問、会社説明会を始め、会社案内の制作から求人媒体への投資などが含まれる。
人材育成投資計画を立てる
採用投資とともに人材育成投資も重要である。環境変化を乗り切れる、また、競合企業に負けない人材を育てることも、将来の人的能力を高めるという意味では大切な「投資」活動である。
いまや、人材育成は最も大切な経営戦略となった。しかも、それは従来の教育投資のように、単に知識や技能教育だけでなく、全人格を含めた育成、それも集合教育だけでなく、人事制度やOJTを含めた総合的な人材育成のシステムによって一人ひとりのマンパワーを高めるとともに、これを通して組織全体のパワーの発揮を促すことに変わってきている。
人材育成投資は、社内の育成システムと社外の研修などに分けて、これらの内容と予算を設定する。
大切なことは、継続的、計画的に、また、業績評価や給与システムあるいは人事制度、ローテーションといった会社のシステムに組み込んで人材開発を計画することであろう。
大企業と比べて格差をつけられている中小企業としては、知識もさることながら、技能や人間性の面で、また、組織風土の活性化の面で大企業を上回るよさを引き出すことが成長のカギを握る。
<< 企業成長のための研究開発(R&D)投資 >>
求められる研究開発投資
R&D(Research&Development)は、研究開発の意味で、企業の将来のための新製品開発、新規市場開拓、さらに経営の質的レベルを高めるための経営開発の3つから考える必要がある。
通常、R&Dというと、新製品や新技術開発のための投資をいうが、中小中堅企業では市場開拓や経営開発も新製品開発に劣らず大切な要因であるので、ここではR&Dに含めた。
R&Dの内容と着眼点
(1) 新商品開発投資
R&Dでは、何といっても新商品開発がメインであるが、金をかければよいものができるというのでは決してない。大切なことはテーマを決めることである。
これは事業開発のところでも触れたが、中小・中堅企業の分野であること、そして、自社の得意分野が活かせることがポイントである。
技術的な開発を終えた製品の商品化のための開発投資や、パッケージやデザインなどの開発もここに含めて考えたい。
生産技術の開発は、商品間発とはいえないが、ここでは新商品開発に含めて考える。
(2) 新規市場開拓投資
新しい事業分野への進出や市場開拓のための市場調査、消費者調査、研究など、日常の販売活動以外の投資がここでいう市場開拓投資である。
マーケティング活動のためのモニター制度やメーカーのアンテナショップ、また、市場開拓目的の広告宣伝や販売促進活動も新規市場開拓投資と考えたい。
(3) 経営開発投資
経営開発とは、新しい経営のシステムの導入や経常の質的レベルを高めるための研究や指導活動などである。
県や民間機関の経営診断や経営指導を受けたり、また、QC活動の展開や物流システムの改革など、社内の改善活動も含められる。経営資源が人的なそれに大きく依存する中小・中堅企業こそ、この人的資源を最大限に発揮させるような経営開発への取り組みが必要であろう。
著者
天明 茂(公認会計士、宮城大学名誉教授)
2007年12月末現在の法令等に基づいています。
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