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朝礼

秘密の話はしないのが上等

「ここだけの話」は人間関係を壊す

政治ニュースで首相の責任を問うとき、「綸言(りんげん)汗の如し」という言葉が使われることがあります。これは、王者がいったん口に出した言葉、すなわち綸言は取り消すことができないから、発言はくれぐれも慎重にしなければいけないという意味です。首相は王者ではありませんが、最高責任者ですから、軽はずみな発言は慎まなければならないという文脈で使われます。
しかし、考えてみると、軽率なことを言ってはいけないのは、王者や首相にかぎったことではありません。私たちは上司や同僚、取引先の人について何か非常に興味深い話を耳にした場合、親しい同僚などに、「ここだけの話だが」とか「君にだけ話すんだが」「絶対人に言ってはだめだよ」などと念押ししてから、話してしまうことがあります。
しかし、多くの場合、この念押しはほとんど効きません。話した内容が重大であればあるほど、他の人に伝わりやすくなります。秘密を明かされたほうは、黙っているつもりでも、酔っ払うと、つい漏らしてしまいがちだし、この人は会社が違うし、秘密の当事者とは何の関係もないからと思って話すと、実は当事者と学生時代の同期生で、巡りめぐって本人の耳に入ったりします。
もし話の内容が同僚の悪口だったら、職場での人間関係は必ず悪くなるし、取引先の秘密だったら、仕事をひとつなくすことにもなりかねません。人に話す前に、本人に伝わっても差し支えない内容かどうか慎重に考えてから話すようにしましょう。