チャンスに恵まれた原因

アメリカの鉄鋼王アンドリュー・カーネギーは、借金してスコットランドからアメリカに渡った移民の息子でした。
13歳のときから糸巻工、電報配達夫、鉄道の事務員兼電信技手、ペンシルベニア鉄道の主任と、仕事はいくつも変わりましたが、彼の明るい性格と機知と積極性を認めた人たちが、次々にカーネギーを引き立ててくれたため、いつもよりよい仕事に就くことができました。
カーネギーの機敏にチャンスをつかむ態度は、ついに鉄道での経験を活かした会社の設立を決意させます。南北戦争時代、アメリカの鉄道では新しいレールが欠乏していました。彼の最初の会社はこのレールを作る会社で、協力者と資本を得て1864年に設立されました。
その後、いくつかの会社を同じようにして設立しました。最新設備を誇る製鉄所を建て、やがてこれがピッツバーグ市の製鉄所となり、彼が鉄鋼王と呼ばれる元になったのでした。
彼はあるとき、若い人たちに向かってこう語ったことがあります。
「明るい性格は財産よりももっと尊いものである。若い人たちは、性格というものは養成することができるし、人間の心も体と同様に日陰から日光の照る場所に移るべきであるということを憶えておいていただきたい。陽の当たる場所へ出ようではないか」
若いみなさんは、常に物事の明るい面に目を向けるように自分を育てていきましょう。

監修：　二木紘三