メールで問題を出し合う

資格は、種類にもよりますが、ビジネスパーソンにとって強力な武器となります。とはいえ、役に立つ資格ほど試験が難しく、パスしにくくなります。日常業務が忙しくて勉強に集中できず、しかも内容が難しいので、途中で挫折してしまったという経験のある人は少なくないでしょう。
当社と取引のあるT社の輸出部門に勤めるYさんから聞いた話ですが、同社では輸出入時の通関業務を外部の業者に委託していました。この業務は国家資格を持つ通関士にしかできません。
Yさんは貿易実務の検定を受けるつもりで勉強し始めていましたが、自社が貿易業務を大幅に拡充することになったので、どうせなら通関士の資格を取ろうと思い立ちました。その話を1年先輩のMさんにしたところ、彼もそのつもりだったことがわかりました。
そこでふたりは協力して勉強することにしたのですが、それぞれ仕事がありますから、いっしょに勉強するわけにはいきません。そこで、ふたりはメールで自分の疑問点を相手に訊いたり、問題を出し合ったりすることにしました。こうしたメールのやり取りは、勉強それ自体より、同じ目標を目指す者がいるという仲間意識やライバル心によって勉強を続ける意欲を保つのに役立ったそうです。非常に難しい試験なので、2年かかりましたが、ふたりとも資格取得に成功しました。
みなさんも資格取得を思い立ったら、周りに同じ目標を持つ人がいないか探してみましょう。励まし合い、教え合うことで勉強するエネルギーが沸いてきますよ。

監修：　二木紘三