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ちょっといい話

物事の大切さは失って初めてわかる
物事の大切さは失って初めてわかる
   「失ったものが見つかる」、こんなうれしいことはありません。柳田聖山の『禅と日本文化』に、こんなたとえ話が載っています。
   ある人が、失くしたモノが見つかる喜びを味わおうと、道端に自分で銅貨を落とし、自分で拾い上げていました。しかし、何度繰り返してみても、嬉しくも何ともありません。そのうち、落とした銅貨がどこかに転がって、本当に見つからなくなってしまいました。さあ大変と一所懸命探しますが、どこにも見当たりません。つまらぬ実験をしなければよかった、と後悔し始めたとき、そこを通りかかった人がいて、一緒に探してくれました。
   しばらく二人で、あちこち探していましたが、やっと草むらのかげに落ちていた銅貨を見つけました。そのときのうれしかったこと!
   自分の銅貨ですが、一度失ってみて、初めてその大切さがわかったのです。
   このたとえ話は、なかなか示唆に富んでいます。私たちは、きれいな空気が周りに一杯ある時は、その素晴らしさに案外気づかないものです。汚れた空気に囲まれて初めて、澄んだ、きれいな空気の大切さを知ります。ですから、失う前にその大切さに気づくよう、時には身の回りを再点検してみてはいかがでしょうか。思わぬ発見があるかもしれません。

監修
福田 健