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ちょっといい話

恐れは自分がつくる
恐れは自分がつくる
   元NHKアナウンサー・山川静夫氏が書いた『名手名言』というエッセイの最後に、亡くなった美空ひばりさんのことを書いた一節があります。
   「わたしが初めてひばりの司会をしたのは、昭和44年。大歌手・美空ひばりに初めて接して、どこか心の中に、大歌手への恐れがあったのかもしれない。何日か後の新聞に、オドオドして見苦しかったと書かれた。それから20年。病後のひばりを青葉台の自宅に訪ねて、そのことを告白した」
   「でもね、山川さん。なぜわたしって、みんなから怖い、怖いっていわれなきゃならないの、なぜ?」
   「わたしは、はっとした。美空ひばりは、ちっとも怖くなんかないのだ。大歌手こそがもつ『芸の力』と『自己への厳しさ』が相手を圧倒しただけなのだ。怖さは、こちらに自信がないための妄想にすぎなかった」
   自分に自信があれば、相手に対して必要以上の恐れを感じることはないはずです。そのためには、何事にしろ自分を磨く努力を怠らないことでしょう。

監修
福田 健