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ちょっといい話

方法の大切さ
方法の大切さ
   一人の旅人が飢えと渇きでフラフラになりながら、砂漠を歩いていました。
   一杯の水さえあれば、と探し求めているうちに、井戸らしいものが目に入りました。「あったぞ」とばかりに走りよってみると、まさしくそれは井戸でした。旅人は、急いで井戸の中をのぞいてみましたが、暗くて水があるのかどうかわかりません。そこで、小石を投げ入れてみると、ちょっと間があってから、ポチャッと音がしました。
   そこには、正真正銘の水があったのです。旅人は、これで助かったと思い、ほっとしました。
   でも、本当は、ほっとするのはまだ早いのです。なぜなら、井戸の水をどうやって汲みとるか、その方法が見当たらないからです。それが見つからなければ、旅人にとって、水は最初からなかったも同然なのです。
   同様に、知識を仕入れるだけで安心していては、目的を達成したことにはなりません。実行のための方法を手に入れなければ不十分です。
   知識を獲得し、実行に移す筋道。それが「方法」なのです。

監修
福田 健