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ちょっといい話

新人がやる気を失うとき
新人がやる気を失うとき
   昼休みが終わった午後一時。新入社員の山下君が、勢いよくドアを開け、「遅くなりました」と、大きな声でいいながら、事務所に入ってきました。
   ところが、いつもと違って、事務所の中にはシラッとした雰囲気が漂い、誰も応えてくれる人はいません。山下君は、何か悪いことをしたような気分になって、うつむいたまま自分の席に着きました。
   山下君は、配属されて1か月というもの、毎日元気のよいあいさつを続けてきました。しかし、この日の気まずい思いがショックとなって、「大声で挨拶するなんて馬鹿みたいだ。いままで、みんな内心では笑っていたんだ」と考えて、その日から挨拶をやめてしまいました。
   でも、実際は山下君の考えとは違っていたのです。彼が事務所に飛び込んでくる直前、課長が部下にカミナリを落としたので、それでみんなシラケていたのです。そんな雰囲気の中に彼が元気よく入ってきたので、実はみんなホッとしたのです。
   新入社員は、会社に入ったばかりでわからないことが多く、ほんの些細なことを気にして、落ち込んだりすることがあります。それを見過ごしてしまうと、新入社員はやる気を失ってしまいますので、細かい目配りとフォローが必要です。

監修
福田 健