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リーダーシップ

大役を任せる
大役を任せる
   リーダーの器量は、部下にどこまで仕事を任せ切れるかによって決まるといわれます。
   任せるとは権限を委譲することです。信頼して本気で育てる気がなければ任せることはできません。
   山城さんは、ホテルの婚礼担当。入社して丸3年になります。真面目すぎる性格の持ち主です。そのせいか、何事においても慎重すぎて、荷の重い仕事に対して逃げ腰なのが、支配人の遠藤さんは気になっていました。
   ある時、地元の名士の長男の結婚披露宴を受注しました。総勢500名を超える招待客です。地元選出の国会議員も多数出席します。なかには大臣もいます。ホテルにとっては粗相の許されない披露宴です。
   遠藤支配人は、誰をその婚礼担当にするかずいぶん迷いました。そして、決心したのです。リスクを承知で、自信をつけさせるために山城さんを担当に任命したのです。
   それは、部下への“信頼”という二文字がなければ決断できないことでした。
   不安ながらも、山城さんも覚悟を決めました。“自分を信頼し、任せてくれた支配人の度量に、何としても応えたい”と、勇気を奮い立たせたのです。
   ここ一番というときに、彼の真面目さが功を奏しました。支配人の期待に、彼は立派に応えたのです。山城さんは、この時点で“この人のためなら”という気持ちが加速されたといいます。
   部下を信頼し、仕事を任せるということは、大変にむずかしいことです。しかし、人を育てるにはタイミングが大切です。任せるべきときに、信じて任せる器量がリーダーには問われているのです。

監修
福田 健