ビジネスわかったランド (営業・販売)

リーダーシップ

ストーブを消して部下の帰りを待つ
ストーブを消して部下の帰りを待つ
   1、2月ともなれば、新潟はきびしい寒さに見舞われます。吹雪の夜などは、向かい風の道を歩くと息もできないほどです。売上げの締切も迫ったそんな夕暮れ、まだ経験も浅い中村君が帰ってきました。報告を聞いた所長は、「出直してこい」というきびしい一言。中村君は再び吹雪の街へ出て行きました。
9時も過ぎ、ほとんどの人が帰ってしまったのに、あの中村君はまだ帰ってきません。
   そのとき、「もう、いいだろ」と残った人に声を掛けて、所長がストーブを消しました。
   所長一人になった部屋は深々と冷えていきます。11時も回った頃、ようやく中村君が帰ってきましたが、ストーブのついていない部屋で仕事をしている所長の姿を見て、激しく心を打たれました。このときを境に、中村君の営業成績は上がり始めたのです。
   「雛が孵るときと、親鳥が卵の殻を外からつつくのは同時」という諺があります。
   リーダーシップも、部下あってのリーダーシップです。ただ高圧的なやり方や権力を振りかざすだけでは、なかなかよい成績は上げられません。ぜひ、このような実りある指導を心掛けてください。

監修
福田 健