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人間関係の知恵

100メートルはビリでも
100メートルはビリでも
   マラソンランナーとして名を馳せた宗兄弟の話です。
   小学生の頃、運動会で100メートル競争がありました。いつもゴールは一番最後でした。
   家に帰って母親に「かあちゃん、今日もビリだったよ」と報告をしたところ、お母さんは「100メートルじゃ、お前たちには距離が短か過ぎるんだよ。もっと長い距離ならきっと一番になれるよ」といったそうです。
   この言葉がきっかけとなって、長距離ランナーを目指したというエピソードは有名です。
   ふつう、競争してビリをとってくれば、「なんてお前たちは足が遅いんだろうねえ。ちゃんと走らなきゃダメじゃないか」などと、子供たちを叱りつけたりするものですが、このお母さんは、まったく違った発想で、子供たちに、新たな方向性を示したのです。
   この話は、発想の転換という意味と、たった一言でも人に与える影響は非常に大きいという意味で、さまざまな分野での教訓となると思います。

監修
福田 健