ビジネスわかったランド (営業・販売)

人間関係の知恵

相手のプライドを守る
相手のプライドを守る
   ある役所の窓口での出来事です。
   若い男性職員が、50歳くらいの女性とカウンター越しに話をしています。「それではここに印鑑を押してください」。「すみません、忘れてきました」
   困っている女性に、「それでは拇印で結構ですよ」。「それもないんですが・・・」
   まわりにいた人たちも、けげんそうな表情を女性に向け、次に職員に視線を注ぎます。「ではこの朱肉に親指をつけ、ここに押してください」というと、その女性は男性職員のいう通り指に朱肉をつけ、その場はうまく収まりました。
   印鑑、ハンコ、みとめ・・・同じものでも呼び方はいろいろです。勘違いしても不思議ではありません。
   女性に恥をかかせなかった職員に対して、その場にいた人々は信頼感を抱いたのでした。
   役所の職員というと、木で鼻をくくったような対応しか期待できない、というのが通り相場ですが、このような機転の利く人もいるのだなあと、妙に感心してしまいました。
   相手のプライドを守った応対の見本を見た思いでした。

監修
福田 健