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ユーモアの効かせ方

咄嗟の対応
咄嗟の対応
   シナリオライターの倉本聡といえば、「北の国から」が有名です。倉本さんのエッセイの中に、こんな話が出ていました。
   女性にもてる男性がいて、結婚してからも、浮いた話が絶えません。奥さんからすれば、すました顔の亭主が、どこで、どんな女と浮気をしているのか、考えれば考えるほど腹が立ちます。
   ある晩、亭主は、夜中にふと気配を感じて目が覚めました。すると、顔を真っ赤にして、女房が頭上に立っています。
   「わたしが知らないと思って浮気ばかりして、もう殺してやる!」
   すっかり酔っ払った女房は、包丁を手に、いまにも襲いかかろうという勢いです。
   咄嗟に亭主、
   「なんだ、夢か」
   とぼけた口調でそういうと、目をつむりました。
   あきれた女房は、ふと我にかえり、台所に包丁を収めに行きました。
   この亭主、浮気はともかく、なかなかの男です。

監修
福田 健