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貿易事務

貨物の引取りと輸入原価の計算は
 貨物の引取りは通関業者とのやりとりで完了するが、それを受けて次のような手順でかかった費用を計算する。


通関業者から貨物を引き取り、費用精算で完了
輸入通関手続きが完了して税関から輸入の許可が得られたら、通関業者が運送会社から貨物を引き取って輸入者の倉庫まで届けてくれる。
輸入者は、通関業者から貨物を受け取り、通関業者が立て替えて払ってくれている税金や通関手数料など、通関と貨物の引取りにかかった費用を精算すれば、一連の輸入取引は終了である。

輸入原価の計算方法
次に、輸入が完了したら輸入原価の計算をしておく必要がある。
なぜなら、輸入した貨物を転売して利益を得るにしても、それを使って製品をつくって販売するにしても、貨物の輸入原価:COSTがわからなければ販売価格や製造原価などの計算ができないからである。
輸入原価の計算方法は、次の図表のとおり。

輸入原価を計算するときは、輸入にかかったすべての費用を加算して、基準となるINVOICE金額で割り算をすれば、INVOICE金額に対する総費用の割合(指数)が計算できる。さら、個々の輸入貨物のINVOICE単価に為替レートと上記の指数を掛ければ、個々の貨物の輸入COSTが計算できるわけである。
上記の計算では、FOB金額を基準に計算しているが、たとえばCIF条件で輸入したときはCIF金額を基準にして、同じように計算できる。
なお、かかった費用を加算する際は、外貨で支払った費用は円貨に換算するなどして、通貨の種類を統一して計算する必要がある。

著者
井上 洋(井上貿易事務所代表・貿易コンサルタント)