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貿易事務

海外企業と取引をするときの注意点は?
 契約書の作成が必須であるなど、日本の企業と取引するときとのちがいを押さえておきます。

●契約書の作成方法
海外の企業と取引をしようとするときは、とくに契約書の作成に注意を払ってください。日本では、契約書を作成せずに口頭によっても契約自体は有効に成立するので、契約書はおもに、契約の内容を明確にし、後日の紛争防止に役立てるという意味で作成されます。しかし、国によっては、契約書が非常に重視されており、あとになってから口頭で、契約の内容を修正したり、追加したりすることは困難な場合があります。
海外の企業との取引においては、契約書に書かれている以外の事柄を相手が守ることはないと考えておくのがよいでしょう。そこで、トラブルが起きないように、またはトラブルが起きたときにできるだけ自社に有利となるような条項を契約書に盛り込んでおく必要があります。

●商品の機能と品質について
海外の企業が日本製部品を求める理由は、加工の精度、耐久性など、つまり“機能”を重視している場合がほとんどでしょう。したがって、商品を販売するときには、どのような機能を相手が求めているのかをよく確かめたうえで、その機能を仕様書に記載するようにしてください。
また、商品の品質を決めるときには、サンプルの提出によるのではなく、図面等による仕様書にしておくほうがよいでしょう。サンプルの品質に差異があったような場合、トラブルになる可能性があるからです。たとえば、たまたま提出したサンプルが高品質だった場合に、残りの製品も高品質のものを納入しなければならなくなる可能性もあります。

●商品の検収場所
もし商品に不良品が混じっていれば当然、交換しなければなりません。しかし、商品の検収(納入品が注文どおりの物かを確かめること)を行なう場所が海外ということになれば、商品を再び輸出する手間や費用などがかかり大変です。
そこで、商品の検収場所は売主の本社ビルとする等と定め、その旨を契約書に記載しておくとよいでしょう。検収場所が日本国内であれば、不良品を発見した際でもすぐに交換できることになります。

法律事務所オーセンス
2010年5月末現在の法令等に基づいています。