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貿易事務

貿易取引のしくみは
 荷為替手形を使う貿易代金の決済のしくみがわかれば、自動的に貿易取引のしくみも理解できる。

貿易事務のしごとを気持ちよく効率的に進めるためには、まず貿易取引の「しくみ」がどのようになっているかを知っているほうがよい。なぜならば、貿易取引にはさまざまな事務手続きが伴うが、なぜそのような手続きが必要なのか…という理由を知らないまま手続きをしても、しごとが面白くないからである。さらに、1つひとつの手続きの理由を知っているほうが、間違いも少なくなるであろう。
ご存じのように、貿易取引には、輸入取引と輸出取引がある。
そして、貿易取引には「書類」と「貨物」と「お金」が関わる。
簡単にいえば、輸入というのは、貨物を輸入してお金:輸入代金を海外の輸出者に支払うわけであるが、その際に、船積書類とか運送書類などの書類が使われる。また、輸出取引とは、貨物を輸出してお金:輸出代金を海外の輸入者から回収することであるが、その際にも書類を使う。
つまり、書類を使って貨物とお金を動かして貿易取引を実現しているわけであるから、これらの書類と貨物とお金が具体的にどのように関わりあっているかを体系的に知ることが大切である。
そこで、この貿易取引のしくみを理解するには、「荷為替決済のしくみ」を理解するのが最もわかりやすいと考える。なぜならば、現実の貿易取引には、荷為替が最も多く使われているからである。
貿易取引において、輸入代金を支払ったり、輸出代金を回収したりすることを「貿易代金の決済」というが、荷為替決済とは、そのような貿易代金の決済に「荷為替手形」を使う方法である。
荷為替手形を使う貿易代金の決済のしくみがわかれば、自動的に貿易取引のしくみも理解できるといえる。

著者
井上 洋(井上貿易事務所代表・貿易コンサルタント)