ビジネスわかったランド (営業・販売)

売掛金管理と代金回収

取引先の危険な兆候の見分け方は?
 情報を収集するとともに、社内の雰囲気や退職者の動向、そして金融機関の対応もチェックします。

●取引先の情報の重要性
取引先が倒産するという情報を、数か月以上前に把握できたら、債権回収はスムーズにいきます。そのために、取引先に危険な兆候がないか常に注意し、正確に把握することが大切です。とくに経営者の発言には、一言一句に注意するべきです。
取引先に直接出向く営業担当者は、他の同業者から取引先情報の収集を行ない、なおかつ社内の様子を客観的に把握することも大切です。たとえば、商品の注文が著しく増大した場合は、理由をしっかり把握する必要があります。しかし、取引先を安易に危険と判断すると、他社に顧客を取られるリスクが生じます。
取引先の取引金融機関の動向をチェックすることも大切です。金融機関は数か月先の資金繰りを把握しているからです。また、取引会社の所有する不動産の登記簿を市場価値以上の担保がついていないか定期的にチェックをすることも重要です。

●危険な兆候のチェックのしかた
具体的にチェックするべき点は、まず取引会社内の雰囲気、そして会社の重要人物が退職していないかなど、社員の動向チェックです。また、取引先の主な金融機関が、融資を引き上げたら倒産への第一歩と考えるべきでしょう。取引先の所有する不動産が処分されていないか、新たな抵当権の設定の有無についても定期的に確かめておきましょう。
危険な兆候として注意すべき点は、右図のとおりです。このような兆候がある場合は、かなりの確率で倒産に向かっているといえるでしょう。
取引先の危険な兆候を発見した場合には、すぐに法的手段を含めた対策を立てて、行動すべきです。


法律事務所オーセンス
2010年5月末現在の法令等に基づいています。