ビジネスわかったランド (営業・販売)
売掛金管理と代金回収
危ない取引先の見分け方は
焦付きは仕方がないという考え方を捨て去ること、そして前回訪問時とのわずかな変化にも気を配ることがポイントになる。
営業担当者100人に聞いてみた。「焦付きをゼロにするのは無理な相談だろうか」と。
そのうち99人が「それは無理だ、不可能だ」と答えたが、1人だけ「やってやれないことはない」と答えてくれた。
さて、あなたならばどう答えるだろうか。中には「それは無理だ。だからこそ税法でも貸倒引当金を認めているのだ」と、知ったかぶりをする人を散見する。
とんでもない話で、根底から間違っている。むしろ、このような考え方こそが焦付きの発生の犯人なのである。
そこまで極端でなくても「無理じゃないか」と思う人は、このあとをじっくり読んでいただきたい。
方法はある。しかもきわめて確かな方法がある。
もともと、払わない会社に売るから焦げ付くのであって、そのような会社に売らなければよいのである。冗談のように聞こえるだろうが、これが唯一の、しかも永遠の真理なのである。
人・物・金の各要素にウエート付
古くからいわれるものに3Mというのがある。これは、人(Man)・物(Material)・金(Money)の3要素でとらえようとするもので、それなりに一理はある。
あるいは、4C調査といわれるものもある。
・Character…社風とか社長の人格
・Capital…資産状況
・Capacity…生産能力、販売能力
・Condition…得意先とかの現状
ところで、これらにはウエートづけがない。そこで、それらを考慮した上で次の図表のように決めてはいかがであろうか。
以上のような各項目で調べてみて、100点満点で50点以下の企業ならば、取引は止めたほうがよかろう。
経営者のどこをみるか
前掲の図表から読み取れるように、企業規模が小さくなるのに逆比例して、人的要素のウエートが高まっていく。そして、その中でも圧倒的に大きなウエートは、記すまでもなく経営者である。
最大のカギを握る経営者については、次の点を見ればよい。
・先見性……少なくても3年先を見ていること
・計画性……朝令暮改社長は駄目である
・計数力……数字に強いか弱いか
・統率力……派閥争いはないか
・経験……経験の少ないときは専務の経験を見よ
・根性……不況期の乗り切り方を聞けばわかる
・誠実性……時間の守り方でわかる
・家庭……家庭訪問は必ずするように。夫婦仲は
・健康……健康管理の方法は
・近隣……近隣の風評が案外と真実を語っている
・女関係……英雄色を好むは昔の話
・私生活……身分相応の生活か
・資産……不動産に不審な点はないか
・後継者……後継者育成の努力をしているか
・魅力……人間としての魅力はあるか
取引先の危険兆候チェックリスト
取引先が倒産したときに、被害を最小限に抑えることができるかどうかは、一にかかって危険信号の早期発見ができたかどうかによる。実際に、相当早く発見して取引を中止したため、被害がゼロであったとは、よく聞く話である。
危険信号らしきものを出さずに倒産するケースもあるが、それらは稀であるため無視するとして、要は取引先の変化を見て取ればよいわけである。
ちょうど、「顔色がよくないですね。どこか悪いのですか」と他人の健康を気遣うように、得意先の顔色を見ておればよい。
ところが、何気なく見ていると顔色の悪さには気がつかないもので、あたかも医者のように「顔色はどうか」と意識して見ている者にだけ、その悪さが見えてくる。
たとえば在庫状況の変化にしても、何気なく倉庫の中を見ているだけではわからないが、前回と比べて多いか少ないかと、意識的に見つめている人には、僅かの変化も読み取れる。
「前回訪問したときと変わっている点はどこか」、これを訪問目的の一つにつけ加えることである。
危険信号の主なものをまとめたものが、次の図表である。これらの兆候がないか、細心の注意を払ってチェックすることが肝要である。
著者
小堀 肇(経営コンサルタント)
2004年11月末現在の法令等に基づいています。
営業担当者100人に聞いてみた。「焦付きをゼロにするのは無理な相談だろうか」と。
そのうち99人が「それは無理だ、不可能だ」と答えたが、1人だけ「やってやれないことはない」と答えてくれた。
さて、あなたならばどう答えるだろうか。中には「それは無理だ。だからこそ税法でも貸倒引当金を認めているのだ」と、知ったかぶりをする人を散見する。
とんでもない話で、根底から間違っている。むしろ、このような考え方こそが焦付きの発生の犯人なのである。
そこまで極端でなくても「無理じゃないか」と思う人は、このあとをじっくり読んでいただきたい。
方法はある。しかもきわめて確かな方法がある。
もともと、払わない会社に売るから焦げ付くのであって、そのような会社に売らなければよいのである。冗談のように聞こえるだろうが、これが唯一の、しかも永遠の真理なのである。
人・物・金の各要素にウエート付
古くからいわれるものに3Mというのがある。これは、人(Man)・物(Material)・金(Money)の3要素でとらえようとするもので、それなりに一理はある。
あるいは、4C調査といわれるものもある。
・Character…社風とか社長の人格
・Capital…資産状況
・Capacity…生産能力、販売能力
・Condition…得意先とかの現状
ところで、これらにはウエートづけがない。そこで、それらを考慮した上で次の図表のように決めてはいかがであろうか。
以上のような各項目で調べてみて、100点満点で50点以下の企業ならば、取引は止めたほうがよかろう。
経営者のどこをみるか
前掲の図表から読み取れるように、企業規模が小さくなるのに逆比例して、人的要素のウエートが高まっていく。そして、その中でも圧倒的に大きなウエートは、記すまでもなく経営者である。
最大のカギを握る経営者については、次の点を見ればよい。
・先見性……少なくても3年先を見ていること
・計画性……朝令暮改社長は駄目である
・計数力……数字に強いか弱いか
・統率力……派閥争いはないか
・経験……経験の少ないときは専務の経験を見よ
・根性……不況期の乗り切り方を聞けばわかる
・誠実性……時間の守り方でわかる
・家庭……家庭訪問は必ずするように。夫婦仲は
・健康……健康管理の方法は
・近隣……近隣の風評が案外と真実を語っている
・女関係……英雄色を好むは昔の話
・私生活……身分相応の生活か
・資産……不動産に不審な点はないか
・後継者……後継者育成の努力をしているか
・魅力……人間としての魅力はあるか
取引先の危険兆候チェックリスト
取引先が倒産したときに、被害を最小限に抑えることができるかどうかは、一にかかって危険信号の早期発見ができたかどうかによる。実際に、相当早く発見して取引を中止したため、被害がゼロであったとは、よく聞く話である。
危険信号らしきものを出さずに倒産するケースもあるが、それらは稀であるため無視するとして、要は取引先の変化を見て取ればよいわけである。
ちょうど、「顔色がよくないですね。どこか悪いのですか」と他人の健康を気遣うように、得意先の顔色を見ておればよい。
ところが、何気なく見ていると顔色の悪さには気がつかないもので、あたかも医者のように「顔色はどうか」と意識して見ている者にだけ、その悪さが見えてくる。
たとえば在庫状況の変化にしても、何気なく倉庫の中を見ているだけではわからないが、前回と比べて多いか少ないかと、意識的に見つめている人には、僅かの変化も読み取れる。
「前回訪問したときと変わっている点はどこか」、これを訪問目的の一つにつけ加えることである。
危険信号の主なものをまとめたものが、次の図表である。これらの兆候がないか、細心の注意を払ってチェックすることが肝要である。
著者
小堀 肇(経営コンサルタント)
2004年11月末現在の法令等に基づいています。
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