ビジネスわかったランド (営業・販売)

事務ワーク

資料・文書の上手な整理法とは
 営業担当者に限らず、長期にわたって成績を伸ばし続けているビジネスマンは、「整理がうまい」といわれている。
資料や文書を上手に整理するためのコツは、共有できるものはできるだけ共有するようにしたほうが手間が省けるので、部門共有資料と個人所有資料とに分けることである。そうすれば、個人所有の分だけ整理・分類すればよいのである。整理のポイントは、ファイルなどの「器」を選ぶことにある。1番安くてしかも便利なのは、2つ折りのオープンファイルである。また、未分類のコーナーを設けておき、取りあえず未分類のコーナーに放り込んでおき、1週間に1度か2度、集中的に整理するのがコツである。

資料を整理する暇があったら1軒でも多く訪問したほうが得か
とかく営業担当者は売ることにのみ走りがちで、販売資料や社内文書などの整理や保管にはあまり力を注がない。「そんな暇があったら1軒でも多く訪問したほうが得だ」──これが偽らざる本音かもしれない。

現在のセールスは総合力の戦いであり、販売資料の活用が大切
しかし、現在のセールスは、1営業担当者の口先だけで決まるものではない。いわば、総合力の戦いであり、会社や自分で作成した販売資料をいかに有効に活用するかにかかっている。

伸びる男は整理がうまい
どんな業界でも、長期にわたって成績を伸ばし続ける営業担当者は、おしなべて資料や文書の整理・活用がうまい。周囲を見渡してみればわかるはずである。しかし、それは営業担当者に限らない。「伸びる男は整理がうまい」という言い方をしてもよいと思う。

文書や資料をすぐに紛失したのでは誰も信用してくれない
会社からもらった文書や資料をすぐに紛失し、「あれ? ここにあった○○の資料、知らないか」といつも机の上や引出しの中をごそごそ引っ掻き回しているような人間を、いったい誰が信用するだろうか。

<< 部門共有資料と個人所有資料とに分ける >>

「後ろ向き」の整理とは、いつも資料整理に追いかけられること
資料整理には「後ろ向き」と「前向き」がある。「後ろ向き」とは、いつも机の上に資料が溜まって、整理に追いかけられ、整理に費やした時間の割にはそれを少しも活用しないことをいう。

「前向き」の整理とは、いつも活用できるように分類しておくこと
「前向き」の整理とは、もらった資料を整理するだけではなく、足りない資料を自分から求めて集め、しかも、次に活用しやすいように、どこに何があるかがすぐわかるように分類しておくことである。

共有できるものはできるだけ共有したほうが手間は省ける
すべての資料を何から何まで全部自分1人で分類しようとするから、手に負えなくなるのである。部門内の誰か1人だけが保管していれば済むものは、係を決めてその人に責任をもたせ、共有できるものはできるだけ共有したほうが手間は省ける。あなたは、個人所有の分だけ整理・分類すればよいのである。

<< 整理のポイントは「器」を選ぶこと >>

ファイルは分類した項目の数だけ揃える
資料の器とは、ファイルのことである。分類の項目を決めたら、その項目の数だけファイルを揃えよう。スペースが空いているからといって、1つのファイルに2つも3つも関連のない項目を一緒に入れるから、あとで取り出そうと思ったとき、どこにあるかわからなくなってしまうのである。

1番安くてしかも便利なのは、2つ折りのオープンファイル
2つの穴を開けて綴じるファイルは、取出しや追加するときに面倒だから使わないほうがよい。1番安くてしかも便利なのは、2つ折りのオープンファイルか箱型のボックスファイルである。

<< サイズで揃えず、用途で揃えること >>

資料をサイズごとにファイルすると使いにくい
ファイルに資料を入れる場合、最も犯しやすい間違いは、サイズごとに揃えてしまうことである。A4なりB5なりに社内資料のサイズが統一されている会社は問題ないが、ほとんどの会社はこれにB4が加わって、3つのサイズが入りまじっている。

ファイルもA4に統一するのがベター
机の引出しのサイズはA4だから、ファイルもA4に統一するのがベターである。前述のオープンファイルやボックスファイルは、資料のサイズに関係なく保管できるのである。

<< 未分類のコーナーを設けるのが整理のコツ >>

分類するとき「どこにいった?」と大騒ぎするのが普通だが
資料や文書は、もらったらすぐに項目ごとのファイルに入れていくのが理想だが、現実はつい後回しになってしまい、いざ分類するときになって「どこにいった?」と大騒ぎするものである。

取りあえず未分類にコーナーに放り込んでおく
これを避けるには、始めから未分類のコーナーを机の中に設けて、取りあえずもらった資料はすべてこの中に放り込んでしまうとよい。

1週間に1度か2度、集中的に整理する
そして1週間に1度か2度、集中的にそれぞれのファイルに入れていけばよいのである。このとき、必ずしも自分で保管しなくてもよいものは、どんどんその場で捨てていくと、本当に必要な資料・文書だけが残るので整理しやすくなる。

<< パソコンの活用 >>

紙での整理・保管は場所もとる。そこで、導入したいのが、OA機器である。パソコン、スキャナ、そして手頃なデータベースソフトを活用すれば、書類や資料が画像としてそのまま整理・分類でき、ハードディスク等に保管しておけば、場所もとらない。しかも、パソコン上で検索すれば、すぐに探している書類・資料がピックアップでき、画面表示できるほか、印字も可能である。

著者
窪田 通(タイアップシステム研究会)
2010年6月末現在の法令等に基づいています。