ビジネスわかったランド (営業・販売)

事務ワーク

事務処理を能率よくこなすには
 営業担当者といえども、事務処理と無縁では仕事は進まない。見積書の作成、契約・計算・納品書や報告書の作成、日報の整理、見込客への手紙、成約御礼の手紙までかなりの事務処理をこなさなければならない。
そのためには、朝出勤したら、その日1日のやるべき仕事をメモに書き出すなどして、計画的に仕事を進めることである。また、購入契約の御礼や簡単な見積書の作成などは、待ち時間(隙間時間)に処理することである。
さらに、各種の記録と報告はその日のうちにやるクセをつけるとか、報告書の様式や伝言の方式を改善するとか、不要なものは捨てるとかの習慣を身につけることが大切である。

営業担当者も伝票をきちんと処理する必要がある
営業担当者と事務とは、そんなに深い関係はない──と思っている向きがあればこれは間違い。確かにモノを売るのが本来の仕事かもしれないが、売れば売ったで伝票をきちんと処理する必要がある。

販売計画の立案から成約御礼の手紙まで多くの事務処理が必要
さらに、さかのぼれば、販売計画を立てることから始まって、見積書の作成、契約・計算・納品書や報告書の作成、日報の整理、見込客への手紙、成約御礼の手紙までかなりの事務処理をこなさなければならない。

<< 計画的な仕事の進め方とチェックリストの活用 >>

より早く、より楽に、経費をかけずにやれるかを常に念頭に置く
何事も行き当たりばったりではうまくいくはずがない。あくまでどの手順で、どの過程を経れば、より早く、より楽に、しかも経費をかけずにやれるかを念頭において事を進めることである。

朝出勤したら、その日1日のやるべき仕事をメモに書き出す
まず朝出勤したらすぐ、その日1日のやるべき仕事をメモに書き出し、記録してみる。一番先にする仕事、どうしても行かなければならない見込客、納品書や見積書の作成などの優先順位を決めて計画的に予定を組む。つまり1日の行動、作業の計画表づくりである。

隙間時間に簡単な事務をする
訪問しても、多少は待たされる。次の約束には少し時間がある。この隙間時間を使って、ちょっとした事務処理に当たることである。購入契約の御礼や紹介の御礼をはがきにしたためること、また簡単な見積書の作成、日報の記入など、鞄の中にこれらのはがきや用紙を入れておけば、隙間時間を無駄なく活用することができる。

仕事のチェックリストをつくり活用する
展示会を開いたり、プレゼンテーションをするとき、ちょっとした手違いが起こりがち。こうしたミスや漏れをなくし、能率的に進めるには、「チェックリスト表」を日頃から作成しておき、これに基づいて進めていくと能率的に作業ができる。チェックリストは、すなわちマニュアルにもなる。

記録仕事はその日のうちにやる
よく遅れがちになったり、つい延び延びになってしまうのが、各種の記録と報告物だ。これをその場そのときにメモしたり、用紙に書き込む習慣をつけておくと能率的である。つまり、仕事を溜めないで速戦即決、即実行といけばよいわけである。

<< 整理整頓と事務改善のやり方 >>

日頃から整理整頓、イザというときすぐ取り出せるようにする
事務能率の悪さで、一目瞭然なことは、過去のデータを捜し出す作業に手間がかかることだ。必要な記録や伝票、見積書の控えが必要なときにさっと出てくるようにしたい。それには、常日頃からデータや記録を出しやすい形に整理しておくことが必要である。

常に改善工夫する気持ちをもつ
いまどこの職場でもいわれているのが業務見直し、改善活動である。QCとかMICと呼び名は違っても、究極の目的はそう変わらない。要するに、いままで当り前にやってきた仕事を、新しい観点や視野に立って、徹底的に見直し合理化することだ。

販売会議の能率的なやり方や訪問の仕方などを改善する
営業担当者の事務処理の仕方についても、同じことである。たとえば、販売会議の能率的なやり方、進め方を研究したり、訪問の仕方にメスを入れ、改善することもそうしたものの1つである。

報告書の様式や伝言の方式を改善する
また、報告書の様式を改善し、手軽に時間をかけずに書けるようにしたり、伝言をメモからテープ吹き込みにするとかいろいろ改善方法が考えられる。こうした改善意欲を絶えずもつことも、大事なことの1つである。

不要なものは思いきって捨てる
販売に役立つだろうと思って、新聞・雑誌のスクラップをしたり、業界情報を記録・保存することは大いに勧められることだが、不必要になったものはどんどん捨てることだ。不要な資料は思い切って捨てるのが、能率化の決め手という説もある。

著者
坂井 尚(ビジネス評論家)
2010年6月末現在の法令等に基づいています。