ビジネスわかったランド (営業・販売)

事務ワーク

日報の上手な書き方は
 重要なことは、事実を正確に書くことである。成約の見込みもないのに、上司の機嫌取りのために楽観的な見通しを書いたり、架空の訪問先を記載したりといった“脚色・創作”が最も邪道である。
営業日報は、実績数字が主体のものと、行動の記述が主体のものに分かれる。

行動状況主体型
次の訪問販売日報は、個人家庭を対象にした訪問販売用で、実績よりも訪問状況と経費を主体にした様式である。

1.訪問先名
訪問した順に記載する。訪問順が効率的であったかどうかを反省する資料であるから、番地までは不要である。
2.訪問目的
簡単に書けばよいが、「商談」などと書くと、みんな同じになるから、記入例のように直接目的を書くようにする。
3.面談内容
上司は、日報を見て、部下の活動の効率性をチェックするわけだが、訪問回数と面談内容によって活動の質の評価ができる。
いくつかの異なる話の展開があっても、最も中核になったものを選んで記入する。契約した実績や集金した金額は、「成果」欄に記入することになる。
4.使用経費
詳細は伝票に書くわけであるから、ここでは勘定科目単位の金額だけを記入する。
5.所感・特記事項
どのような報告書においても最も重要である。空白のまま平気で提出する営業マンも多いが、全項目中で最も評価される項目である。感じたことや、とくに耳にした重要な情報や、顧客の動向などをありのままに簡潔に記入する。具体的な説明を要するときは、上司に口頭で報告する。

実績主体型
次の図表は、ルート営業マン用の日報である。目標・実績・達成率の欄を冒頭に設け、いつも意識するようになっている実績主体型の様式である。

1.報告事項
得意先の近況・情報をまとめる。
2.動向(他メーカー、市場)
他社の動向、市場の動きについて書くわけだが、顧客の変化、ニーズの変化、世評などについても、とくに感じたことがあれば記入する。
これは、実績主体型ではあるが情報活動の面を重視した様式になっている。日報は、このような情報活動の成果に力を入れて、同僚に差をつけたいものである。

著者
藤森 悠紀男(株式会社経営開発研究所社長)
2004年11月末現在の法令等に基づいています。