ビジネスわかったランド (営業・販売)

事務ワーク

名刺を上手に整理・活用するには
 名刺は、営業担当者にとって貴重な財産である。名刺を上手に活用できるかどうかによって、成績が変わってくるとなると、その取扱いはゆるがせにできない。上手な名刺整理法の第一歩は、名刺ホルダーの選択にある。各ページが固定された一般的な名刺ホルダーは差替えが不便。その点、ルーズリーフ式は挿入・入替えが自由なので、多少高いがこちらを使いたい。

名刺はセールス活動の蓄積の証明
名刺は、セールス活動の蓄積の証明。名刺は、そのままで簡単な顧客カードだし、見込客カードでもある。

<< 名刺の上手な整理法 >>

名刺ケースを分類ボックスに転用する
名刺は、100枚ずつプラスチックのケースに入っている。このケースを分類ボックスとして転用する。頻繁に出し入れする分は机の引出しの手前に蓋を開けたままで置き、古くなったが捨てられない分は分類項目を書いて蓋をし、奥のほうに入れる。

各ページが固定された一般的な名刺ホルダーは差替えが不便
各ページが固定された一般的な名刺ホルダーは、ある特定の項目だけ増えたときなどは実に不便である。50音順で保管していた場合、ア行が満杯になっても、次のイ行以降全部を後ろに移動させなければ新たに挿入することができない。この入替え作業が面倒になって、やがて名刺の整理が疎かになってしまうことが多い。

ルーズリーフ式は挿入・入替えが自由で便利
その点、ルーズリーフ式の名刺ホルダーは、挿入・入替えが簡単である。固定式と比較すると多少は高いが、営業担当者たる者は名刺ホルダーは自己への投資と思うべきである。

顧客カードに1列に貼り付けるのも一法
顧客カードが厚紙製である場合は、その端に名刺をセロテープで、面談した順に貼り付けていく方法もある。1つの会社(顧客)で何人もの名刺をもらって、顧客カードよりも長くなったというようなときでも、折り畳んでしまえば問題はない。この方法だと、社内の人に多く会った先とそうでない先とがひと目でわかるという利点もある。

パソコンでデータベース管理する
最近は、パソコンとスキャナを活用してのデータベース管理も可能である。これを活用すれば、名刺のカラー画像をそのまま保存するのはもちろんのこと、OCR(光学文字読取り)ソフトを併用すれば、文字情報(手書き文字は除く)だけをテキストデータとして抽出し、住所録などが自動的に作成できるようなシステムも市販されている。これに自らのメモ書き的な情報を付加してデータベース化しておけば、即座に検索して抽出・印字することも可能である。

<< 名刺の上手な活用法 >>

名刺の表に書き込んでおくと便利なこと
名刺は、営業担当者にとって貴重な財産である。その財産である名刺をより有効に活用するには、その名刺の主の特徴を名刺の表に書き込んでおくに限る。それも、印象が薄れないうちに、その日の営業活動が終わり、帰社したらその日のうちに書き込むようにする。
では、どのような事柄を書いておいたらよいのか、次の図表に示しておくので、参考にしていただきたい。


そのまま並べてコピーすればDMリストになる
名刺を複写機に並べて好きなサイズの用紙にコピーすれば、そのままでそれは顧客名簿・見込客名簿である。アシスタントにDMの宛名書きを頼む場合は、そのままDMリストになる。

名刺の上部を色塗りして「進捗状況の把握」に使う
名刺の上部にマジックやマーカーで色を付けて、顧客分類の見分けの1つにする方法もある。たとえば、赤は要注意客、黒はまったく見込みのない客、青は自分に好意的な客というようにである。
もちろん、名刺に付けられる色は1色ではなく、また、日時の経過とともにいろいろ変化していく。顧客によっては、青→赤→黒などという変化も1目でわかる。

他の営業担当者との等価交換の「紙幣」にする
世の中、誰でもが自分の顧客になる可能性がある。たとえA君にとってまったく見込みがなくなった人でも、B君には有力な見込客である場合が多い。同じ社内・業界でなくても、営業担当者の友人と顧客を交換したり、共有したりすることが、扱い商品によっては可能である。そのときは名刺が財産として、紙幣替わりの役割を発揮するのである。

著者
窪田 通(タイアップシステム研究会)
2010年6月末現在の法令等に基づいています。