ビジネスわかったランド (営業・販売)
基本と行動マナー
面談時に気をつけるべきマナーとは
表情、態度、服装、あいさつ等に留意し、印象をよくするように心がけるとともに、馴れによる不作法を慎むことがポイントとなる。
<< 第一印象をよくする >>
初対面で評価の対象になるのは、まず表情、態度、服装、あいさつ、言葉遣い、そして面接中の仕草・立ち居振る舞いという順序になる。
表情
どんな立場のどんな身分の人に対しても、明朗なほほえみで、人当たりのよさを感じさせるよう、親しみのある柔らかな表情で対面できる応対の技巧をしっかり身につけておく必要がある。「ほほえみ」とは、八分の笑顔のことである。
態度
背筋を真っすぐ伸ばして、やや前傾姿勢を取ると、礼を失わない謙虚さを表わせる。
立ち姿でも座わったときでも、両手の位置はかなり気になるものだが、、立ち姿のときは体の前で、座位では膝の上で、両手を軽く重ねると恰好もよく、楽である。
なお、この場合の両手の重ね方は、男性は左手のうえに右手を、女性は右手のうえに左手を重ね合わせるのが日本の伝統的な作法である。
服装
簡素さ、清潔さ、几帳面さ、真面目さ、着やすさの5つを心がけること。
挨拶
相手よりも丁重であることが大切である。それはマナーでもあるが、その後の話の進め方を有利に展開するうえでも欠かせない。丁重なあいさつでよい印象を与え、相手の警戒心を解きほぐすのである。
初対面の自己紹介は、印象的な文句をTPOに合わせていく通りか用意しておくようにすれば、その場になってまごつかないですむ。
言葉遣い
あいさつに続く面接中の言葉遣いは、努めてていねいに、敬語と謙遜語を正しく使い分けること。セールストークは、あらかじめ組み立てておいた明瞭な論旨で、明るく確信をもって意欲的に話すようにするとよい。
面接中の仕草・立ち居振る舞い
1.楽な姿勢でよいが、積極的になるあまりに前かがみになりすぎると、相手は逆に退くような状態になるから気をつけること。
2.必要な書類やカタログなどはテーブルに広げてもよいが、鞄をテーブルや椅子の上に載せるのは不作法になるから、自席の脇の床の上か膝の上に置いて、邪魔にならないようにする。
3.話の要点は、相手の目障りにならないよう気配りしながら、小型の手帳を胸元に開いて記録する。
4.面接中の腕組みや足組みは慎むべきである。
5.話は相手の目を見てするのが基本である。しかし、自分の視線がきつすぎるように思う場合は、相手の鼻柱の上あたりに視線の中心が当たるようにする。
なお、初対面の面接時間は長すぎないようにするのがマナーである。そして、次なる面談につなげるため、辞去するとき、よい余韻を残せるようなあいさつを爽やかにする工夫も大切である。
<< 慣れによる不作法を慎む >>
面接段階を突破して、ようやく面談ということになる。ここで気をつけなければならないのは、初対面のときのような緊張が弱まり、時として礼を失いがちになることである。接触を重ねれば重ねるほど人間関係が深まり、親しさが増すのは当然の成行きであるが、慣れによる不作法があってはならない。
慣れによる不作法を慎むためには、初対面の際の態度の基本的な心得を忘れないようにすることが大切であるが、とくにお辞儀とあいさつは初対面のときよりもいっそう丁重にする。そして、だらだらと長居をせず、スマートに切り上げるようにする。
お辞儀
立ってするお辞儀は、大きく分けて、深いお辞儀と浅いお辞儀、会釈と目礼の4通りになる。
1.深いお辞儀
相手の真正面に向かって2.1メートルから3.6メートルの距離で静止し、背筋を真っすぐ伸ばし、首から折らないように腰から上体を前方に45度近くなるように傾け、最も深く上体を曲げた位置でいったん動作を止め、上体を戻すときは曲げたときよりもややゆっくりめの速度を見計らって、いくらか前傾姿勢が残る位置でお辞儀を終わる。深いお辞儀はとくに改まった場合の丁重な礼であり、平常はあまり多用しない。
2.浅いお辞儀
相手と1.2メートルから2.1メートルの距離を置き、上体の前傾角度を15度から30度ぐらいまでの間にする以外、基本的な動作は深いお辞儀と同じ要領で行なう。この浅いお辞儀は平常多用する礼である。
3.会釈
人前を通るとき、通路での擦れ違い、部屋に入るとき、エレベーターの乗り降り、あるいは再度のお辞儀の場合などにする礼であるが、相手と視線が合ったタイミングを逃さずに早く、上体を10度ほど前傾させる。この場合も上体を戻す速度はゆっくりめに。
4.目礼
未知の人や同僚や後輩に対してするごく軽い礼で、会釈を軽くするような要領で、上体をあまり動かさなくても視線だけは確実に下に落とす。
あいさつと口上
受付や取次ぎの人にも、初対面のときと変わらない態度で礼儀正しく、にこやかに、はっきりとあいさつ、口上を言う。
なお、訪問先に先客があれば、先客にも必ず日常のあいさつをし、あとからの来客があれば、先に会釈をするようにする。
面談時の心得
1.時間厳守
事前に約束を交わした場合は、絶対に遅れないようにする。
2.待たされてもイライラしない
約束した時間に訪問して待たされても、努めて明朗さを装い、先方の気持ちに負担をかけないように振る舞うこと。待たされている間、先方の様子を探るような素振りを見せるのは禁物である。気になっても、雰囲気で感じ取るようにする。
備付けの新聞・雑誌類を手にして眺めるのはよいが、書棚に収納してある本を勝手に取り出すのは不作法な仕草になる。
3.面談時間を調節する
既知の相手との面談は、その場の雰囲気から相手の都合に気配りし、面談時間を調節しなければならない。
4.ビジネスライクに要領よく
一応のあいさつが終わったらすぐ用談に入り、ビジネスライクに要領よく話を運ぶ。
5.聞き役に回る
いくら面談時間が気になるからとはいえ、一方的に喋りまくるのはよくない。話の独占は避け、機をみて上手な聞き役を務めるようにもしたいものである。
6.禁煙
嫌煙権が強くなった。灰皿を置いてある所でもタバコは吸わないほうがよい。相手が吸い始めた場合でも、必ず相手に断わったうえで最小限度にしておく。大勢での面談なら喫煙は遠慮するのが原則である。
7.動作・態度
面談中のジェスチャーは、下品にならないようにする。長時間に及ぶときでも、足を組んだり投げ出したりせず、楽な姿勢を保つようにする。
8.携帯電話
携帯電話は原則として電源を切っておく。切り忘れたり、特別な事情で電源を入れておいたときに呼び出し音が鳴った場合は、相手に「申し訳ありません。電話に出させてもらいます」と断ったうえで、室外に出てから通話し、短時間で用件を切り上げる。
スマートに切り上げる
既知の間柄で親しくなったからといって、だらだらと長居をしてはいけない。用談の決まりがついたら、少々の雑談はしても長居にならないように、けじめのタイミングをうまく掴む要領も大事である。そして、できれば次の面談の都合や先方のスケジュールを聞き、丁重にあいさつして辞去する。
著者
伊藤 倫男(元文京学院大学・文京学院短期大学兼担教授)
<< 第一印象をよくする >>
初対面で評価の対象になるのは、まず表情、態度、服装、あいさつ、言葉遣い、そして面接中の仕草・立ち居振る舞いという順序になる。
表情
どんな立場のどんな身分の人に対しても、明朗なほほえみで、人当たりのよさを感じさせるよう、親しみのある柔らかな表情で対面できる応対の技巧をしっかり身につけておく必要がある。「ほほえみ」とは、八分の笑顔のことである。
態度
背筋を真っすぐ伸ばして、やや前傾姿勢を取ると、礼を失わない謙虚さを表わせる。
立ち姿でも座わったときでも、両手の位置はかなり気になるものだが、、立ち姿のときは体の前で、座位では膝の上で、両手を軽く重ねると恰好もよく、楽である。
なお、この場合の両手の重ね方は、男性は左手のうえに右手を、女性は右手のうえに左手を重ね合わせるのが日本の伝統的な作法である。
服装
簡素さ、清潔さ、几帳面さ、真面目さ、着やすさの5つを心がけること。
挨拶
相手よりも丁重であることが大切である。それはマナーでもあるが、その後の話の進め方を有利に展開するうえでも欠かせない。丁重なあいさつでよい印象を与え、相手の警戒心を解きほぐすのである。
初対面の自己紹介は、印象的な文句をTPOに合わせていく通りか用意しておくようにすれば、その場になってまごつかないですむ。
言葉遣い
あいさつに続く面接中の言葉遣いは、努めてていねいに、敬語と謙遜語を正しく使い分けること。セールストークは、あらかじめ組み立てておいた明瞭な論旨で、明るく確信をもって意欲的に話すようにするとよい。
面接中の仕草・立ち居振る舞い
1.楽な姿勢でよいが、積極的になるあまりに前かがみになりすぎると、相手は逆に退くような状態になるから気をつけること。
2.必要な書類やカタログなどはテーブルに広げてもよいが、鞄をテーブルや椅子の上に載せるのは不作法になるから、自席の脇の床の上か膝の上に置いて、邪魔にならないようにする。
3.話の要点は、相手の目障りにならないよう気配りしながら、小型の手帳を胸元に開いて記録する。
4.面接中の腕組みや足組みは慎むべきである。
5.話は相手の目を見てするのが基本である。しかし、自分の視線がきつすぎるように思う場合は、相手の鼻柱の上あたりに視線の中心が当たるようにする。
なお、初対面の面接時間は長すぎないようにするのがマナーである。そして、次なる面談につなげるため、辞去するとき、よい余韻を残せるようなあいさつを爽やかにする工夫も大切である。
<< 慣れによる不作法を慎む >>
面接段階を突破して、ようやく面談ということになる。ここで気をつけなければならないのは、初対面のときのような緊張が弱まり、時として礼を失いがちになることである。接触を重ねれば重ねるほど人間関係が深まり、親しさが増すのは当然の成行きであるが、慣れによる不作法があってはならない。
慣れによる不作法を慎むためには、初対面の際の態度の基本的な心得を忘れないようにすることが大切であるが、とくにお辞儀とあいさつは初対面のときよりもいっそう丁重にする。そして、だらだらと長居をせず、スマートに切り上げるようにする。
お辞儀
立ってするお辞儀は、大きく分けて、深いお辞儀と浅いお辞儀、会釈と目礼の4通りになる。
1.深いお辞儀
相手の真正面に向かって2.1メートルから3.6メートルの距離で静止し、背筋を真っすぐ伸ばし、首から折らないように腰から上体を前方に45度近くなるように傾け、最も深く上体を曲げた位置でいったん動作を止め、上体を戻すときは曲げたときよりもややゆっくりめの速度を見計らって、いくらか前傾姿勢が残る位置でお辞儀を終わる。深いお辞儀はとくに改まった場合の丁重な礼であり、平常はあまり多用しない。
2.浅いお辞儀
相手と1.2メートルから2.1メートルの距離を置き、上体の前傾角度を15度から30度ぐらいまでの間にする以外、基本的な動作は深いお辞儀と同じ要領で行なう。この浅いお辞儀は平常多用する礼である。
3.会釈
人前を通るとき、通路での擦れ違い、部屋に入るとき、エレベーターの乗り降り、あるいは再度のお辞儀の場合などにする礼であるが、相手と視線が合ったタイミングを逃さずに早く、上体を10度ほど前傾させる。この場合も上体を戻す速度はゆっくりめに。
4.目礼
未知の人や同僚や後輩に対してするごく軽い礼で、会釈を軽くするような要領で、上体をあまり動かさなくても視線だけは確実に下に落とす。
あいさつと口上
受付や取次ぎの人にも、初対面のときと変わらない態度で礼儀正しく、にこやかに、はっきりとあいさつ、口上を言う。
なお、訪問先に先客があれば、先客にも必ず日常のあいさつをし、あとからの来客があれば、先に会釈をするようにする。
面談時の心得
1.時間厳守
事前に約束を交わした場合は、絶対に遅れないようにする。
2.待たされてもイライラしない
約束した時間に訪問して待たされても、努めて明朗さを装い、先方の気持ちに負担をかけないように振る舞うこと。待たされている間、先方の様子を探るような素振りを見せるのは禁物である。気になっても、雰囲気で感じ取るようにする。
備付けの新聞・雑誌類を手にして眺めるのはよいが、書棚に収納してある本を勝手に取り出すのは不作法な仕草になる。
3.面談時間を調節する
既知の相手との面談は、その場の雰囲気から相手の都合に気配りし、面談時間を調節しなければならない。
4.ビジネスライクに要領よく
一応のあいさつが終わったらすぐ用談に入り、ビジネスライクに要領よく話を運ぶ。
5.聞き役に回る
いくら面談時間が気になるからとはいえ、一方的に喋りまくるのはよくない。話の独占は避け、機をみて上手な聞き役を務めるようにもしたいものである。
6.禁煙
嫌煙権が強くなった。灰皿を置いてある所でもタバコは吸わないほうがよい。相手が吸い始めた場合でも、必ず相手に断わったうえで最小限度にしておく。大勢での面談なら喫煙は遠慮するのが原則である。
7.動作・態度
面談中のジェスチャーは、下品にならないようにする。長時間に及ぶときでも、足を組んだり投げ出したりせず、楽な姿勢を保つようにする。
8.携帯電話
携帯電話は原則として電源を切っておく。切り忘れたり、特別な事情で電源を入れておいたときに呼び出し音が鳴った場合は、相手に「申し訳ありません。電話に出させてもらいます」と断ったうえで、室外に出てから通話し、短時間で用件を切り上げる。
スマートに切り上げる
既知の間柄で親しくなったからといって、だらだらと長居をしてはいけない。用談の決まりがついたら、少々の雑談はしても長居にならないように、けじめのタイミングをうまく掴む要領も大事である。そして、できれば次の面談の都合や先方のスケジュールを聞き、丁重にあいさつして辞去する。
著者
伊藤 倫男(元文京学院大学・文京学院短期大学兼担教授)
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