ビジネスわかったランド (営業・販売)
基本と行動マナー
服装・身だしなみのマナーとは
服装・身だしなみを見て、その人物の人となりを決めてしまうことが結構多い。とくに初対面の際の服装・身だしなみは第一印象を決定づける最も具体的な情報になる。落ち着いた、清潔感ある服装、身だしなみを心がけ、TPOをわきまえることがポイントとなる。
<< 第一印象をよくする >>
第一印象をよくするポイントは2つ。
1.営業活動に合った違和感のない服装を選ぶこと
2.手入れの行き届いた清潔さを保つこと
落着きを感じさせる地味な服装
活動の内容によって、上下揃いのスーツが必要な場合もあれば、ジャケット、ユニホームでよい場合もあるが、総じて地味に装うほうが落着きを感じさせる。
1.男性
少々改まった席では地味な色のスーツの着用が基本である。ジャケットやセーター、カーディガンの着用はマナーに反する。革靴は黒の短靴が基本である。
日常性の高い男性のスーツは、人間の幅を感じさせるものをよく吟味して着用するようにする。気楽さが容認される場合は、ジャケットに替えズボンでもよいし、ベストやセーター、茶系統の革靴を選ぶのもよいが、遊び着とは違うという限度をわきまえた色、柄、デザインの選定が必要である。
2.女性
落ち着いた色合で型もプレーンな上下揃いのスーツか、あまり突飛な色、柄、デザインでないワンピース、ツーピースがよく、初夏から秋口までならブラウスにスカートでもいい。カーディガンやセーター姿は営業現場では不適当である。靴はシンプルなパンプス型が望ましい。
清潔感のある身だしなみ
身だしなみのポイントは不潔な印象を与えないことである。
・頭髪にフケは溜まっていないか
・髭、鼻毛は伸びていないか
・爪は伸びていないか、爪先に垢を溜めていないか
・ワイシャツ襟・袖口は汚れていないか
・ズボンに皺やたるみはないか
・ネクタイは汚れていないか、ゆがんでいないか
・靴に泥などがついて汚れていないか
出かける前に、この程度のことは必ずチェックすること。
服装の清潔さを保つには、適度の洗濯、糊のきいたシャツ、こまめなブラッシングが必要である。靴もよく磨いておく。そうすれば服装を整えやすい。きちんとした身仕度は礼儀にかなうだけでなく、活動性をも高める。
男性は身だしなみのポイントとして3Sに留意する必要がある。3Sとはシェービング、シャツ、シューズ。髭をたくわえることの是非は社風や職種によって異なるだろうが、無精髭は見た目にも不潔だから、毎日、必ず剃る。なお男性の茶髪は、まだビジネスの世界では容認されていない、と考えたほうが良い。
男性も女性も、仕事中に髪に手を当てたり櫛を入れたりしなくてもすむように、髪型を整えておく。手先も目立つところだから、爪は短く切り揃え、指先は機会あるたびによく洗うようにする。女性は、薄化粧を心がけ、髪のカラーリングやアクセサリーも控えめにする。ワイシャツやブラウスは上着よりも目立つ。新調のスーツでもシャツが薄汚れていたのでは様にならない。
靴も目立つところである。泥まみれであったり、踵がすり減っていたのでは、だらしなさを看板にするようなもの。足元を見透かされないように、靴は磨き込んで履きたいものである。
<< TPOをわきまえる >>
服装・身だしなみの常識は、Time(時)とPlace(場所)とOccasion(場合)を十分にわきまえて整えることから始まる。
TPOが大切な理由は、周りに対する調和を欠かないようにするためであり、相手に対して違和感を与えないようにするためである。
個性的・活動的な装いにも限度がある
個性を尊重すること、感性を磨くことは大切であるが、それが強調されすぎて営業マンが服装や身だしなみに節度を失ったのでは困りものである。
個性的に装うのは大切なことであるが、それはTPOを心得たうえでのことでなければならない。TPOも時代とともに徐々に変化していくが、限度を超えない常識を前提にする必要がある。
コーディネートに気をつける
世間一般がいくら派手になっても、ビジネス社会は結構保守的なものである。したがって、営業関係者の服装はいっそうTPOにこだわって、きちんと整えなくてはならない。
きちんと整えるためには、服装の色彩の取合わせも大切である。カラー・コーディネートを誤ると、軽薄に見えたり不体裁に映る。ワイシャツは白を基本として、カラーシャツの場合も地味な単色にするか、細縞柄か目立たない程度の紋様入りがよい。
服装全体の色の取合わせは2~3色が適当で、女性でもそれ以上に色数の多い取合わせでは全体の調和を取りにくくなる。女性はシンプルなシルエットを考えた色の対比、色量の均衡が重要である。
ハンカチ、靴下にも気を配る
ハンカチは必需小物の一つだが、フォーマルな場合は白の麻か綿の交織物、日常的には色物の綿の平織りがよいし、予備を持っているとなお困らない。靴を脱ぐことが予想できるときは、汚れたり破れたりすることを考慮して、替えの靴下を用意しておく。
季節も考慮する
上着のボタンは、きちんとかけておく。スーツでもジャケットでも、椅子に腰かけるときのほかは、ボタンを1つ以上必ずかけておく。なお、夏場であれば、許しを得れば上着を取ってもマナー違反にはならず、ノーネクタイが失礼にならない場合もある。そのときはネクタイを胸のポケットに折り畳んで入れておくようなことはせずに、人目につかないところにしまっておくのがTPOをわきまえたマナーというものである。
著者
伊藤 倫男(元文京学院大学・文京学院短期大学兼担教授)
2009年11月末現在の法令等に基づいています。
<< 第一印象をよくする >>
第一印象をよくするポイントは2つ。
1.営業活動に合った違和感のない服装を選ぶこと
2.手入れの行き届いた清潔さを保つこと
落着きを感じさせる地味な服装
活動の内容によって、上下揃いのスーツが必要な場合もあれば、ジャケット、ユニホームでよい場合もあるが、総じて地味に装うほうが落着きを感じさせる。
1.男性
少々改まった席では地味な色のスーツの着用が基本である。ジャケットやセーター、カーディガンの着用はマナーに反する。革靴は黒の短靴が基本である。
日常性の高い男性のスーツは、人間の幅を感じさせるものをよく吟味して着用するようにする。気楽さが容認される場合は、ジャケットに替えズボンでもよいし、ベストやセーター、茶系統の革靴を選ぶのもよいが、遊び着とは違うという限度をわきまえた色、柄、デザインの選定が必要である。
2.女性
落ち着いた色合で型もプレーンな上下揃いのスーツか、あまり突飛な色、柄、デザインでないワンピース、ツーピースがよく、初夏から秋口までならブラウスにスカートでもいい。カーディガンやセーター姿は営業現場では不適当である。靴はシンプルなパンプス型が望ましい。
清潔感のある身だしなみ
身だしなみのポイントは不潔な印象を与えないことである。
・頭髪にフケは溜まっていないか
・髭、鼻毛は伸びていないか
・爪は伸びていないか、爪先に垢を溜めていないか
・ワイシャツ襟・袖口は汚れていないか
・ズボンに皺やたるみはないか
・ネクタイは汚れていないか、ゆがんでいないか
・靴に泥などがついて汚れていないか
出かける前に、この程度のことは必ずチェックすること。
服装の清潔さを保つには、適度の洗濯、糊のきいたシャツ、こまめなブラッシングが必要である。靴もよく磨いておく。そうすれば服装を整えやすい。きちんとした身仕度は礼儀にかなうだけでなく、活動性をも高める。
男性は身だしなみのポイントとして3Sに留意する必要がある。3Sとはシェービング、シャツ、シューズ。髭をたくわえることの是非は社風や職種によって異なるだろうが、無精髭は見た目にも不潔だから、毎日、必ず剃る。なお男性の茶髪は、まだビジネスの世界では容認されていない、と考えたほうが良い。
男性も女性も、仕事中に髪に手を当てたり櫛を入れたりしなくてもすむように、髪型を整えておく。手先も目立つところだから、爪は短く切り揃え、指先は機会あるたびによく洗うようにする。女性は、薄化粧を心がけ、髪のカラーリングやアクセサリーも控えめにする。ワイシャツやブラウスは上着よりも目立つ。新調のスーツでもシャツが薄汚れていたのでは様にならない。
靴も目立つところである。泥まみれであったり、踵がすり減っていたのでは、だらしなさを看板にするようなもの。足元を見透かされないように、靴は磨き込んで履きたいものである。
<< TPOをわきまえる >>
服装・身だしなみの常識は、Time(時)とPlace(場所)とOccasion(場合)を十分にわきまえて整えることから始まる。
TPOが大切な理由は、周りに対する調和を欠かないようにするためであり、相手に対して違和感を与えないようにするためである。
個性的・活動的な装いにも限度がある
個性を尊重すること、感性を磨くことは大切であるが、それが強調されすぎて営業マンが服装や身だしなみに節度を失ったのでは困りものである。
個性的に装うのは大切なことであるが、それはTPOを心得たうえでのことでなければならない。TPOも時代とともに徐々に変化していくが、限度を超えない常識を前提にする必要がある。
コーディネートに気をつける
世間一般がいくら派手になっても、ビジネス社会は結構保守的なものである。したがって、営業関係者の服装はいっそうTPOにこだわって、きちんと整えなくてはならない。
きちんと整えるためには、服装の色彩の取合わせも大切である。カラー・コーディネートを誤ると、軽薄に見えたり不体裁に映る。ワイシャツは白を基本として、カラーシャツの場合も地味な単色にするか、細縞柄か目立たない程度の紋様入りがよい。
服装全体の色の取合わせは2~3色が適当で、女性でもそれ以上に色数の多い取合わせでは全体の調和を取りにくくなる。女性はシンプルなシルエットを考えた色の対比、色量の均衡が重要である。
ハンカチ、靴下にも気を配る
ハンカチは必需小物の一つだが、フォーマルな場合は白の麻か綿の交織物、日常的には色物の綿の平織りがよいし、予備を持っているとなお困らない。靴を脱ぐことが予想できるときは、汚れたり破れたりすることを考慮して、替えの靴下を用意しておく。
季節も考慮する
上着のボタンは、きちんとかけておく。スーツでもジャケットでも、椅子に腰かけるときのほかは、ボタンを1つ以上必ずかけておく。なお、夏場であれば、許しを得れば上着を取ってもマナー違反にはならず、ノーネクタイが失礼にならない場合もある。そのときはネクタイを胸のポケットに折り畳んで入れておくようなことはせずに、人目につかないところにしまっておくのがTPOをわきまえたマナーというものである。
著者
伊藤 倫男(元文京学院大学・文京学院短期大学兼担教授)
2009年11月末現在の法令等に基づいています。
キーワード検索
タイトル検索および全文検索(タイトル+本文から検索)ができます。
検索対象範囲を選択して、キーワードを入力してください。