ビジネスわかったランド (営業・販売)

基本と行動マナー

行動計画の立て方は
 営業担当者として「たくさん売りたい」「営業成績を上げたい」と思うのは当然のことである。しかし、ただ漠然と「たくさん売りたい」と思っただけでは、成績は上がらない。
成果を上げるためには、まず目標とそれを達成するための課題を明確にし、計画書は行動予定にまで落とし込み、状況に合わせて毎日でも書き直すべきである。

行動計画は必ず「計画書」として紙に書く
行動計画を立てるとき、忘れてならないのは、「計画は必ず紙に書く」ということである。「頭の中に記憶しておくからわざわざ書く必要はない」と言う人もいるが、それは単なる「やるつもり」ということでしかなく、「計画」とはいわない。紙に書いて毎日意識しても実行困難なのに、「やるつもり」ではいずれ「やるつもりだった」になり、「いつかそのうちやりたい」となり、その「いつか」はいつまで経ってもやってこないことになってしまう。そして「あのとき、やっておけばよかった」と後悔するのが落ちである。
この愚を避けるためには、「紙に書く」ことが第一歩である。

行動の「目標」を明確に定める
行動計画書づくりは、まず「何をどれだけやりたいのか」を考えることから始まる。ただ「たくさん売ってやろう」では、何をどう売ればいいのか、具体的な行動が浮かび上がってこない。たとえば、月間販売額1,000万円という目標であれば、
<A商品>
甲地区 250万円甲地区
乙地区 150万円乙地区
丙地区 100万円丙地区
<B商品>
甲地区 150万円
乙地区 150万円
丙地区 200万円
というように具体的な数字で表わしたほうが、その後の行動計画も具体的に考えられるようになる。

目標達成のために必要な「課題」を明確にする
たとえばA商品を販売しようとする場合、その達成に必要な課題を考える。
1.Aの特徴をライバルとの比較で研究すること
2.Aの売込み用のセールストークを考えること
3.Aの販売促進方法を考えること
これに「甲」という具体的な地域が限定されると、
4.甲地区でAを買いそうな顧客をリストアップすること
5.Aの販売方法を甲地区向けにきめ細かく研究すること
などの課題が明確になってくる。この研究をできるだけ細かく、できるだけ多く、すべての具体的な行動として設定したほうが実行しやすい。

各課題を年間・月間・週間単位で設定する
年間計画書が「絵に描いた餅」になったり、「上司に提出するだけの作文」になってしまっているケースが実に多い。それは、月間計画書を作成しないことが原因になっている。月間計画書をつくるたびに年間計画書を何度も見直すことになり、そのつど課題を確認することになる。同じことで、週間計画書をつくれば、今度は月間計画書を何度も見直すことになる。

きょうの行動予定を決める
週間行動計画書があれば「きょうやるべきこと」が自ずと明らかになる。行動計画をさらに確実にするためには、週間計画書を基に「きょうの行動予定」を手帳に書き込み、実行したものに印をつけていけば、やり残すことを極力少なくすることができる。

計画書は毎日でも書き直す
計画に基づいた行動の中で最も愚かなことは、目標の価値がなくなったにもかかわらず、「計画したことだから」というだけで惰性で行動し続けることである。会社を取り巻く環境は常に変化する。好況になれば果敢に目標を上方修正し、不況になれば下方修正せざるを得ない場合も出てくるだろう。社内・外の状況の変化に対応させて、計画書は早め早めに書き換えていくべきである。

著者
窪田 通(タイアップシステム研究会)