ビジネスわかったランド (営業・販売)

基本と行動マナー

商談締結の際の基本とは
 「クロージングの上手下手は、クロージングチャンスの発見にある」との言葉どおり、お客様の態度や行動、話し方の中から、クロージングの「青信号」を察知することがポイントとなる。

<< クロージングの心構え >>

まずは、お客様をクロージングに導くための基本的な心構えを列記しておく。
1.自信と勇気をもってクロージング行動に入る
2.お客様自身の判断で決定したのだと思わせるようにリードする
3.クロージングにおける話し方は「……と思います」ではなく、「……です」と断定法を使う
4.冷静で誠実な態度を失わず、一時的な策略を用いない
5.契約内容については、後日のトラブルが生じないよう十分に念を押し、確認する
6.契約を取りたい一心から余計なことを言ったり、つまらないボロを出したりしないようにする
7.クロージング前には、お客様と議論したり否定的な言葉を使ったりしないようにする
8.取引内容については、自分の権限内で素早く取り決める
9.納品までのプロセスについては、お客様の納得いくよう十分説明しておく
10.クロージング後は、お客様および周囲の人に丁重にお礼を言い、話題を変える
基本心得は、以上のとおりであるが、大切なのはいつクロージングをするか、そのタイミングを掴むことである。これを誤ると失敗する。“クロージングの上手下手は、クロージングチャンスの発見にある”とさえいわれている。

<< クロージングの青信号 >>

お客様が「いまがそのチャンスですよ」と言ってくれるわけではないので、態度や行動、話し方の中から判断しなければならない。「商談を締結しましょう」というお客様の“心の青信号”を敏感に察知する努力と工夫、観察力を統合したアクティブ・リスニングが必要になる。商談の場で青信号と見てよい主なケースを列記しておく。
1.「明日、午後2時に事務所へきてください」と訪問時間、場所を指定されたとき
2.「どうぞ応接室へ」と招じ入れ、お茶などを出されたとき
3.「困ったね、どうしようか……」と具体的な抵抗を引っ込めて考え始めたとき
4.第三者に「どうしようかね……」と相談を持ち掛けたとき
5.「念のためにもう一度説明してください」と前に説明したことを再度聞くとき
6.「値段はこれ以上安くなりませんか」と最終価格を聞いてきたとき
7.「納期は間に合うのですか」と契約後のことについて聞くとき
8.「アフターサービスは大丈夫ですか」と納品後のことを聞くとき
9.「もう一度、現物サンプルを見せてください」と再度、商品を確認するとき
10.同業者や他人の購入条件を聞くとき

著者
羽村 光明(マネジメント・コンサルタント)