ビジネスわかったランド (営業・販売)

営業・販売の法律知識

不正競争防止法と「営業秘密」の関係は?
 企業の技術・ノウハウ等のうち一定の要件を満たすものは、不正競争防止法によって保護されます。

●不正競争防止法で保護される企業情報
不正競争防止法により、事業者間の「公正な競争」が確保され、不正な競争は防止されます。現代社会は自由競争社会なので、自由な競争が原則ですが、公正な取引が行なわれないと、経済の発展が望めないので、不正な競争を防止する必要があるわけです。
ところで、企業が他社の技術やノウハウをマネすることは全面的に禁止されているわけではありません。こういった流用をすべて禁ずると、経済の発展が阻害されてしまい、現実的ではないからです。
不正競争防止法が保護の対象とする情報も、「営業秘密」とよばれる情報等に限られます。営業秘密は、もっとも重要な企業情報といえます。このような情報について保護しなければ、必要な情報を入手するために、企業間において強引な手法がとられるおそれもあります。

●営業秘密として認められる要件
「営業秘密」として認められるためには、(1)秘密管理性、(2)有用性、(3)非公知性の3つの要件をすべて満たす必要があります。
まず、秘密管理性があると認められるためには、(1)アクセス制限(係長以上の役職でないとファイルを見ることができない等)がされていることが必要です。情報にアクセスした者が、それが秘密情報であると客観的に認識できることも必要です。書類の場合であれば、少なくとも「部外秘」などの記載があることが必要です。役員が心のなかで秘密だと思っていてもダメなわけです。

また、営業秘密として認められるには、(2)企業の事業活動にとって有用な情報である必要があります。ただし、脱法手段や脱税手段といった情報は「公正な競争」を害することになるので保護されません。
さらに、最後の要件としては、(3)その情報が公然と知られていないものである必要があります。すでに周知のものとなっている情報、または一般人が知ることができる状況に置かれている情報(ホームページに掲載された情報など)は、保護されません。

法律事務所オーセンス
2010年5月末現在の法令等に基づいています。