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営業・販売の法律知識

PL法にもとづく製造業者の責任とは
 自社の「製造物」に「欠陥」があると、PL法により損害賠償責任を負う可能性があります。

●PL法とは
PL法とは、正式名称を「製造物責任法」といい、民法の特別法です。どの点が特別かというと、民法の不法行為にもとづく損害賠償と比べて、対象を「製造物」に限っていますが、「過失」を要件とせずに「欠陥」で足りるとしている点です。
「製造物」とは、「製造または加工された動産」をいいます。工場でつくられたテレビは、「製造」されたといえるし、鮮魚を刺身にするのは「加工」されたといえます。ただし、家を建築しても、「動産」ではない(不動産です)ので、PL法の対象とはなりません。
「欠陥」とは、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいいます(使用していると火を吹くテレビや、ブドウ球菌に感染している刺身などは「欠陥」があるといえます)。
民法で不法行為責任を追及するためには、加害者の「過失」を被害者が立証する必要があり、たとえ商品に欠陥があっても、その欠陥が製造中に予見できて、回避することができたことまで立証する必要があります。
一方、PL法では、単に製造物に欠陥があるということを立証すればよいので、民法に比べて立証の困難が緩和されています。

●そのほかの要件は
「欠陥」と被害者が受けた損害との間には、「因果関係」(原因と結果の関係)がなければなりません。たとえ「製造物」に「欠陥」があったとしても、「欠陥」と無関係に生じた損害についてまで、損害賠償責任を負ういわれがないからです。


法律事務所オーセンス
2010年5月末現在の法令等に基づいています。