ビジネスわかったランド (営業・販売)

販売促進

共同催事で自社コーナーに集客するコツは
 事前DMの有効活用と併せて、狭い区切りの中での音、色、光を細かく演出し、動きをもたせるとともに、「……限り」というフレーズで心理をくすぐる工夫をする。

準備段階での呼び掛け
開催前の顧客への呼び掛けでは、次のような点がポイントになる。
1.テレビ・新聞・チラシのような一般的な媒体で、共同催事の個性的な内容を顧客に十分知ってもらう
2.顧客動員につながる景品、無料入場券など実利的な効果を狙う方法を、誇大広告にならないよう表現する
3.実演販売、太鼓の演奏など見て楽しいショー的な内容があれば、その魅力を十分に盛り込む

チラシ、DMの記載必須事項
新聞広告、チラシ、DMなどでは、次の点も必要不可欠だ。
1.会場への道順を自動車、バス、電車の場合など詳しく、わかりやすく記入すること
2.必ず電話での問合せができるように電話番号、案内者氏名等を明記しておくこと
3.会場で楽しめる内容について、ショーの時間、抽選券の発行など具体的内容を明記すること
4.会場に行けない人のために、電話やはがきで展示商品が購入できるといったメリットも載せること

DMの効果的利用法
平台3~5台ばかりで、1日当り100万円、200万円を売っている出展業者にスポットを当てると、DMを有効活用していることが売上に直結していた。その工夫をまとめると次のとおり。
共同催事全体のDMだけでなく、催事を開く地方地方で以前に買ってくれた顧客にドリンク券等を添えて、出展業者個人の名前で必ずDMを出している。
はがきには、毎回その回の目玉商品の写真が貼付できるようになっており、何がお買得かよくわかる。さらに、「高額商品を買ってくださった方は車でお宅までお送りします」とDMに入れていることが、他業者との大きな差別化になっていたのも見逃せない。
DMは、一度出せばいいというものでなく、できれば何回か打ちたい。テレマーケティング代行業者を利用するといった手もある。とにかくお客を迎える段階で、すでに販売が開始されていることを出展業者は考えておくべきである。

送迎の準備
送迎車を仕立てるのであれば、車中での顧客対応が、会場での売上を決める重要なポイントにもなる。送迎バスの中でおしぼりを出すなり、コップで自由にジュースが飲める器具を設置するなど、親切な送迎を考える。その他、次のような準備もしておきたい。
1.会場に近い駅には大きな表示を取り付け、顧客が絶対に迷わないように配慮する。できれば案内係を立たせる
2.係員には目立つ服を着てもらい、その格好をチラシなりDMに掲載して、その人を見たら、会場案内係だとすぐにわかるようにする
3. 車には送迎車とわかるように、展示会の名称やロゴタイプを入れたシールなどを貼っておく

ディスプレーの工夫
共同催事の場合、小間割りの設置となる。物販共同催事のスペースの大部分は、2~3平方メートルか5平方メートル程度である。同じような区切りの小売場で自社の販売演出をいかに上手にやるかが、集客数、すなわち売上高を決める最も重要なポイントである。
狭い区切りの中では、音と光、色、動き、この4要素が客寄せイベントの基本である。催事販売は、発想販売である。色、光、音を細かく演出し、イベントの要素として駆使し、動きをもたせることが大切といえよう。
ラジカセは、必ず2個持参すること。1個は予備のため。吹き込みテープは、自作自演したほうがよい。呼掛け、商品の紹介とともに忘れてはならないのは、必ず「あと○日限り」というフレーズを入れること。最終日には「本日限り」という言葉で、いまでないと買えないという顧客の心理をくすぐることが、思いのほか効果を現わす。BGMは邪魔になるようだったら入れなくてもよい。
商品をいったん陳列したら、売場の前に立って観察をする。顧客が商品を一瞥できるかどうかを見る。小さな品物は、前に出して、大きなものの陰に隠れないよう、また同じ色の商品が固まらないよう、バランスに気をつける。
商品陳列状態と装飾の関係は大丈夫か、商品配列にミスはないか、売場の遠くに立って眺めてみること。
また、百貨店やスーパーなどでは、売場のフロアの担当者と事前によく打合せをしておかなければ、当日にトラブルが起きることもあるので注意したい。

全体的調和を最中にチェック
商品と装飾、ライトの全体的な調和の格調はよいか。気をつけているようで、販売の最中には結構おろそかになってしまうことが多いものだ。時々は落ち着いて売場をじっくり眺めてみよう。

接客応対
次に各出展業者の接客や応対のやり方である。
真心のこもった好感のもてる顧客への応対によって、確実な販売につなげている。商品の長所のみならず、欠点についての十分な説明もきちんと押さえる。

アフターフォロー
顧客へのアフターフォローは、販売中から芽生えるもの。それを十分に心得て、販売締結を考えなければならない。
苦情が発生した折りに、いかに迅速かつ親切・丁寧に顧客に接し、苦情の原因を正確につかみ、顧客に心からの誠意を伝えられるかが重要である。
クレーム対応は、早ければ早いほどよい。どんなに遅くても4日以内にすること。それが多くの人の忍耐の限度だからである。誠意がわかってもらえれば、次の販売に必ずつながる。
なお、景品もそうだが、丁寧な礼状は「また行ってみよう」という気を起こさせるので、ぜひとも取り入れたい。

著者
和田 浩(経営コンサルタント)
2004年11月末現在の法令等に基づいています。