ビジネスわかったランド (営業・販売)

販売促進

店頭演出ディスプレーの効果の上げ方は
 店頭演出ディスプレーの演出は、狙いや目的を明確にしたうえで、商品を効率的に並べ、見やすく、触れやすく、選びやすくをポイントにする。

こんなディスプレーは失格
店舗や商品がどんなに立派でもディスプレーがお粗末ならば、お客の注意を引くことも店内へ誘導することもむずかしい。
街を歩くと、案外そんなディスプレーを目にするものだ。こうした“悪いディスプレー”のチェックポイントを挙げてみると次のとおり。
・雑然と商品だけ並べている
・テーマがない。したがって、主役商品がわからない
・ウインドーの汚れが目立つ。とくにガラス面が汚い
・季節はずれ、不要なポスターを貼っている。とくにキャンペーン期間が終了したPOPなど
・陳列の前面に立ったときに見えにくい商品がある
・照明が暗い。裸照明を使っている
・プライスカードなどの価格表示がない
・商品説明や情報訴求のショーカードがない(バーゲンばかり)
・ショーカードがあっても、商品イメージを損なうような下品な表現をしている
・長期間、陳列品が変わらない(1週間から10日が限度)
・アイキャッチャーが奇抜すぎ、不適切
・全体に色彩の調和がとれていない
・裸のマネキンが置いてある
・店内が“歯抜け陳列”になっている
・商品などが陳列台の上に乱雑に置いてある
・お客の手に触れにくい
・お客の見やすい目線、とりやすい高さを考慮していない(人間工学を考慮する)
などである。ちょっとしたことで販促効果を失ってしまうので要注意である。

ディスプレー演出のポイント
商店でのディスプレーを大別すると、店頭のショーウインドーディスプレーと店内ディプレーに分かれる。
ショーウインドーは、通行人の目を引きつけ、店内に誘導するきっかけを生む。
店内ディスプレーは、商品に触れさせることによって直接、販売に結びつける役割をもっている。
店内ディスプレーは、オープン陳列、エンド陳列、アクセント陳列などに細分できる。いずれも商品を効率的に並べて「見やすく」「触れやすく」「選びやすく」することが大切だ。もちろん“豊富感”のある演出もポイントとなる。最寄品(量販品、生活必需品)は、豊富に。買回り品(高級高額品、専門商品)は、静的で落着きのある演出を。
店内にも、要所にショーディスプレーを設置することがある。この場合は、ウインドーディスプレーのように、狙いや目的を明確にした演出がポイントとなる。店内での演出も、芝居や演劇を面白く楽しく見せるための工夫と同じである。
陳列品はステージ、主力商品は主役、小道具や関連商品は主役を引き立てる脇役、ショーカードはセリフといった構成になる。

ディスプレーの基本的な考え方
ディスプレー(とくにウインドーディスプレー)を行なうための基本的な考え方としては、次のような項目があげられる。


街中にアイデアがいっぱい
ディスプレーには、「見せる技術」と「売る技術」が必要である。それを表現するには、予算や手間をかけアイデアを生かすことである。
また、販売員ができる範囲のもの、プロでなければできないものなど、ディスプレーも様々である。
ヨーロッパでは、小さな専門店でも専属のプロ・デコレーターが演出している場合が多い。
日本でもインテリアデザインや美術などを学んだ人たちが、デコレーターとして特定の店と契約したり施工会社から仕事を受けるケースが増えている。
しかし、たとえプロに任せるにしても、任せっぱなしではいけない。店の経営方針や狙いなどを話し合って、店に最もふさわしいディスプレーにしなければならない。
ディスプレ-の表現は、街中でたくさん見ることができる。よいネタやアイデアを発見したらそれらの情報をストックして、さらに発展させる。アイデアは自社の業種に限らず、他業種からも学ぶことは多くある。

著者
今津 次朗(広告販促コンサルタント・日本POPサミット協会顧問)
2004年11月末現在の法令等に基づいています。