ビジネスわかったランド (営業・販売)

販売促進

キャンペーン、コンテストの効果的実施法は
 キャンペーン、コンテストを効果的に実施するためには、目的を明確にし、それに則った統一テーマのもとに、宣伝広告からディスプレー、POP広告、イベント、プレミアム、インセンティブに至るまで、あらゆるツール(手段)が効率よくプランニングされた組合せで集中的にタイミングよく進めることに尽きる。

キャンペーンの狙いを明確にする
キャンペーンの狙いとしては、次のような項目をあげることができる。これらを単独、あるいは複数組み合わせて実施することになる。ただし、あまり目的をたくさん欲張りすぎると、中途半端になることがあり、その辺は注意を要する。

今日の傾向としては、大がかりなキャンペーンは減少し、地道で効率のよい小型キャンペーンへと移行している。ユーザーに信頼感・安心感を与えて、顧客を定着化することが狙いとされている。最近は、とくに新開発商品・改良商品発表のキャンペーンが主力となっている。

キャンペーンの基本的な機能
また、キャンペーンが基本的に果たす機能としては、次のものがある。

広告によるプル戦略と営業によるプッシュ戦略が緊密な協力関係をもつことが重要で、その効果(広告・パブリシティ・話題づくりなど)を活かした展開が多見できる。

キャンペーン設定のタイミング
実際のキャンペーン計画の設定に当たっては、種々の要因やタイミングが指摘できる。キャンペーンの内容ごとに、それぞれ次のような事柄に注意して進めることが大切である。

今日の新商品には、たとえばパソコン、OA機器、車、飲料など、季節性に限定されないものが多い。完成された段階でいち早く発売され、先鞭をつけている。商品開発と併行してキャンペーン計画が進められるべきである。

キャンペーンプランニングのポイント
キャンペーンプランニングに当たって考慮したいのは、十分に時間をとるということである。
日本の即席キャンペーンと違って、アメリカではたっぷり時間をかけてプランニングし、これまで不評だったものは二度と実施しないことが鉄則となっている。
すなわち、自社の長期戦略のライン上に明確に位置づけて実施すべきことはいうまでもない。
さて、キャンペーンの企画から展開までの流れは、次のとおりである。

各部門のスタッフによるプロジェクトチームが結成され、マスタープランの立案・承認を得たあと、的確な展開・運用がポイントとなる。

販売コンテストの効果的な進め方
キャンペーンにコンテストは必須条件となってくる。販売店対象のコンテストの狙いには、次のようなものがある。
1.店頭シェア向上-大量陳列、POP広告コンテストと評価(成功例の紹介)
2.推奨意欲向上
3.仕入量向上
4.前捌け促進
5.販売員の製品認知度と愛着度の向上
当然、インセンティブ(報奨)の問題が出てくるが、刺激剤としては、
イ.金銭およびこれに準ずるもの
ロ.物品贈呈
ハ.招待
などが多い。
検討したいことは、対象事業体への考慮である。
問屋対象の場合でも、営業マンだけでなく、事務や配送部門などバックヤードの人たちも念頭に置きたい。
また、旅行招待もインセンティブの1つではあるが、長期間に大切な人手をとられることは、問屋にとって決して嬉しいことではないということも考えておく必要がある。小売店の場合、経営者主婦(おかみさん)やパートの報奨・評価も重視したい。
なお、事務的には面倒だが、きめ細かい評価単位を設定することが大切である(いくつかのゴールを設定し、それぞれの達成度によって報奨を決めるなど)。大部分の店に諦めさせてしまうのでは、インセンティブ本来の役割を果たしているとはいえない。

著者
安達 昌人(東京販促実践研究所)
2004年11月末現在の法令等に基づいています。